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酸化した頭皮の皮脂も薄毛の原因に!



ーーなるほど、でも母は髪が多くはないものの、薄毛というほどではありませんが……。

伊熊 お母さまは女性なので、女性ホルモンを多くもっています。薄毛情報のあるX染色体をもっていても、女性ホルモンはそれよりも髪を維持する働きかけが強いので、薄毛になりにくいんですよ。

それと、男性ホルモンのテストステロンは皮脂を出す皮脂腺も増大させるという問題もあります。

ーー頭皮の脂も薄毛の原因ですか?

伊熊 はい、皮脂自体が原因というより、出た皮脂が酸化し、その酸化した皮脂が残ったままになってしまうのが問題なんです。酸化皮脂は常在菌によって頭皮環境の悪化を招き、脱毛しやすくなります。

皮脂が出る皮脂腺は、毛穴の浅いところにあります。頭皮の毛穴は肌に比べてずっと大きいので、その分皮脂腺も大きいのですが、テストステロンによってますます皮脂がたくさん出てしまいます。

薄毛になるのは、決して遺伝だけではありません。正しく頭皮を洗うという生活習慣も薄毛予防の大切なポイントなんですよ。

ーー自分は遺伝だからと諦めていたので、少し希望を持てました。

伊熊 余談ですが、遺伝的に決して良いとは言えない我が家の家人は、60代となった今、生え際は後退しているものの、頭頂の髪の量は十分にあります。学生時代の集まりに行くと「オレがいちばん髪があった」とニヤニヤしながら帰ってきますよ(笑)。

実は、私と会う以前から髪のリスクマネジメント意識がかなり高く、20代の頃から育毛剤とブラシでのマッサージを40年も習慣にしているんです。ドラッグストアで買える薬用育毛剤以外にお金をかけたことはなく、毎日2〜3分のセルフケアをただ淡々と続けただけです。

ーーすごい……なんだか夢が広がってきました。

伊熊 洗い方以外にも、生活習慣を変えるだけでできる薄毛対策はたくさんあります。しかも、今の生活をそれほどドラスティックに変えなくても大丈夫。これから、少しずつ薄毛にならない生活習慣について話していきますね。

ーーはい、師匠についていきます!


薄毛の原因は男性ホルモンが大きく影響していることがわかった今回のインタビュー。次回は、「日頃のケアで注意すべきこと」をテーマにお届けする。

伊熊奈美=文

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