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自分の弱さを知り、強さに憧れ、優しくなる



道祖は、経営者だけでなくアーティストとしての顔も持つ。2020年にデフテックのマイクロ氏とユニット、WST(ダブスト)を結成した。これには、うまくなるため以外の理由がある。

「リリースはしていなくても10代から音楽をやっていたこともあり、歌はちょくちょく作っていたこと、コロナ禍で活動しづらかった、というタイミングが重なったことも要因のひとつです。

僕は経営者になって21年が経ちますが、経済活動をしていくうえで、これまで社会の矛盾に対して相当ぶつかってきました。そのため社会に伝えたいメッセージはいっぱいあったのですが、それを発散するきっかけがなくモヤモヤしていました。

だったら自分でリリックに書いて伝えようという思いから活動を始めました。楽しいかどうかは別として、チャレンジできることならやろうと」。

日々、楽しいと感じることは特になく、趣味と呼べるものもない。常に仕事のことを考えているという。そんな仕事への原動力は何なのか。すると意外な答えが返ってきた。

「自分の自信のなさです。朝起きても会社に行きたくないし、外に出るのも怖い。でも前に進まなければという。できればやりたくないです。

でもやらないとそこで終わってしまう、だから生きている以上は動いていなければならない。この連続で今までずっときて、その過程で自分がやりたくないものはどんどん削ぎ落とされていき、最終的に自分ができること、やりたいことをしています。

そのうえで社会の役に立つことをするのが仕事なのだと思っています」。

続けて、毎日を必死に生きることで得られるものが成長であると語る。「それが人間としての生きる目的といいますか……」。黙考しつつ。

「みんな幸せを望んで生きているんでしょうけど、最終的に人間が行き着く幸せやオーシャンズの言うところのFUN-TIMEって、穏やかに暮らせることだと思うんです。

では穏やかに暮らすためにどうすればいいのか、それは自分の弱さを知ること。人って自分の弱さを知ると強くなろうと思う。そして強くなろうと思うと、人に優しくなるんです。人に優しくなると穏やかな生活になります」。


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