テストステロン補充療法の副作用は?
ーーとはいえ、テストステロン補充療法はハードルが高い気がします。 欧米では身近な治療法ですが、日本では副作用を心配して躊躇する人も少なくありません。
確かに副作用はありますが、予防法もありますし、何より治療を受けた人は、更年期障害が改善して元気を取り戻しています。また、筋力も増え体力がつくことから、「運動後の疲れを以前より感じにくくなった」といううれしい報告も聞いています。
ーー副作用はどんな症状がでるのでしょうか? 副作用は、主に脂質代謝異常(善玉のHDLコレステロールの低下)、血液がドロドロになる多血症、肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群、にきび、体毛の増加などです。
そのほか、ほてり、むくみ、女性化乳房、精巣萎縮、男性不妊症(精子の質の低下)、気分の落ち込みなどの症状もあらわれます。
このようにお伝えすると治療に消極的になられる方も多いのですが、血液中のテストステロン濃度が適正な範囲を超えて上昇しない限り、副作用のリスクはそれほど高くないと考えられます。
また、医療機関で定期的に診察、検査を行い、副作用の早期発見、予防に努めていけば病気を防ぐことはできます。
ーーちなみに、ネットなどで販売されているテストステロンの薬を服用してもいいのでしょうか? 病院で処方される男性更年期障害の治療薬は、一般の薬局などで販売されていません。時々輸入品やのみ薬がネットで販売されているのを見かけることもありますが、自己判断で服用するのは危険です。
先ほどお話ししたようにテストステロン補充療法には副作用があるので、きちんと医療機関で検査を受けてから、正しく服用することが重要です。
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