トリッカーズの人気モデル③「ウッドストック(WOODSTOCK)」
「ウッドストック」ブラックカーフ12万1000円(トリッカーズ青山店 03-6805-1930)
装飾の全くない、いたってシンプルな外羽根式のプレーントウのモデル「ウッドストック」。
鳩目もメタルに覆われていないので、ほかのトリッカーズの靴に比べれば、一見大人しい印象を有している。
しかし、ストームウェルト付きのダブルソールや、舌革(タン)の両端を羽根の裏に縫い付け、雨や埃を靴の中に極力入れないようにした袋ベロ(ベローズタン)など、カントリーシューズらしいディテールはしっかり装備している。
シンプルなデザインと機能性を両立したモデルで、
トリッカーズの中でも「通好み」の一足と言えるだろう。
ウッドストックは、スニーカーより「1.0小さいサイズ」が目安
右のウッドストックは27(UK8.5)、左のスニーカーは27(US9)
この「ウッドストック」の木型は、実は前述したストウと同じ「4497Sラスト」を用いている。
よって、本田店長によれば、
サイズ選びもそれと同様に通常、日本サイズ基準だとスニーカーのサイズ-1.0がおおまかな目安となるそうだ。
フィッティングの勘所や、薄手のソックスしか履かない人には、さらに-0.5下げたサイズを案内しているそう。
写真は27(UK8.5)を使用。ソール全長31.5cm/足囲26.7cm(編集部調べ)
「ルックスがあっさりしている分、この『ウッドストック』は比較的、薄手のソックスで合わせたいと言うお客様も多いですね。
デニムやオイルドジャケットのようなカジュアルウェアだけでなく、ジャケパンやタイドアップしたスーツにも合わせたいと言う方もいらっしゃるくらいです。『
守備範囲の広いモデルが欲しい』と言われたら、これがイチ押しですね」。
トリッカーズの人気モデル④「ノーフォーク(NORFOLK)」
「ノーフォーク」チェスナットバーニッシュドカーフ10万4500円(トリッカーズ青山店 03-6805-1930)
トリッカーズのドレスシューズと聞いて、ピンと来ない方も多いのではないか。
しかし本国、英国では、カントリーシューズと同様の堅実な人気を誇っているのも事実。その代表作が、この「ノーフォーク」だ。
同じフルブローグでも、外羽根式ではなく、内羽根式になるとこうも見栄えが変わるのか!というお手本のような存在。
アウトソールも、ドレッシーなシングルのレザーソール仕様になっている。
とはいえ、朴訥とした雰囲気も有しており、「トリッカーズらしさ」は十二分に堪能できる。
ノーフォークは、スニーカーより「1.0小さいサイズ」が目安
右のノーフォークは27(UK8.5)、左のスニーカーは27(US9)
本田店長によれば、「ノーフォーク」の木型にはドレスシューズ向けの「5067/1ラスト」を用いているため、カントリー系のほかのモデルに比べ、都会的な顔立ちになっているのが特徴とのこと。
しかし、
サイズ選びについては「ストウ」や「ウッドストック」と同じ、すなわち日本サイズ基準だとスニーカーのサイズ-1.0を案内するそうだ。
写真は27(UK8.5)を使用。ソール全長29.9cm/足囲25.4cm(編集部調べ)
「ドレスシューズ系と言っても、ほかの英国靴ブランドのものに比べると、トウシェイプもやや丸みを帯びたショートノーズ。そして、ボールジョイントから甲にかけての高さもあるので、履いていて『ゆとり』を感じますね。
この辺りは、まさにトリッカーズのDNAそのもの。
古き良き、質実剛健な英国靴の雰囲気をしっかり残しています!」。
だからだろうか、カントリーシューズに飽き足らないトリッカーズのファンのみならず、「最近の英国靴はスタイリッシュになり過ぎて……」と、ほかの英国のドレスシューズメーカーから乗り移る人も、近年多くなっているのだとか。
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