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2023.10.11

ファッション

「注意すべきは、偽物より“本物”のサイズ感」トリッカーズ人気モデル4足のサイズの選び方


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靴、特に革靴のサイズ選びで失敗した経験のある人が、読者の中にも少なからずいるのではないだろうか?

靴のサイズ選びを間違えると、足の痛みや脚部の違和感、さらには腰痛や疲労の増加など健康悪化にあっという間に直結してしまう。

そんなトラブルを防ぐべく、今回は英国ならではの「カントリー」なる感覚を日本に広めた人気革靴ブランド「トリッカーズ」を訪問。

同社・青山店の店長である本田剛士さんから、定番モデルの「ストウ」「バートン」「ウッドストック」、そして「ノーフォーク」の特徴やサイズ感など、購入時に役立つ基礎知識をご教授いただいた。

トリッカーズの歴史と人気の秘訣

トリッカーズ青山店・店長の本田剛士さん

トリッカーズ青山店・店長の本田剛士さん


1829年、イギリス中部にある英国靴の聖地ノーザンプトンで、ジョセフ・トリッカーが創業した「トリッカーズ」。同地に現存する既製靴メーカーとしては最古の存在だ。

20世紀初頭には、グッドイヤー・ウェルテッド製法での底付けを開始すべく、同地に工場を新設。ちなみにこの工場は、今日でも現役バリバリである。

以来、朴訥な表情と堅牢な造りで、国内外に広くファンを有するようになった。1989年には、当時のチャールズ皇太子(現:英国国王チャールズ3世)からロイヤルワラントを賜り、英国、そして真の英国らしさを体現する靴メーカーとして不動の地位を確保し続けている。



トリッカーズの靴のイメージ、それはもう何と言っても「カントリー」であろう。

その質実剛健な顔立ちは、かつての英国貴族が嗜んだ狩猟などの際に用いた靴のDNAを受け継いでいる。自然と対峙する英国らしい、文化の伝道師と言っても過言ではない。同じ自然を相手にしながらも、アメリカの「ワーク」ともフランスやイタリアの「アルペン」とも全く異なる雰囲気なのが面白いところだ。

実は、このカルチャーを最初に「ファッション」として取り入れたのは、1980年代末期の日本の消費者だった。折しも、バブル経済期の我が国ではインポート、ことさら英国靴に大きな注目が集まった最初のタイミングだ。

ほかの英国靴メーカーの商品とは微妙に異なる、やや塊感のある表情と質感が、日本のジャンルを超えた多くの靴好き・服好きの目にとまり、またたく間にライバル不在の無双状態になったのだ。

以来、トリッカーズの売り上げの海外トップは、長年にわたり日本。私たちの「履き方」に影響を受け、他国のファッションフリークにも広まった。その点では、我が国が育てた英国靴ブランドとも言え、英国以外に初の直営店が東京、しかもファッションタウンである青山にできたのだ。


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