マタドール:街にも山にも馴染むスタイリッシュさ
「ビースト28」2万2000円/マタドール(エイアンドエフ 03-3209-7575)
最後は約10年前に創業したばかりだが、年々人気が高まっている注目株、マタドール。バックパック以外にも、アドベンチャーからアーバンまでシームレスに使える旅行用ギアなどを手掛ける、アメリカ・コロラド発のブランドだ。
なかでも、軽量なフレーム入のテクニカルパックとしてデザインされた「ビースト28」を街使いにおすすめしたい。
フロントポケットは左右非対称な構造で、下までガバッと大きく開く。
自重は28Lサイズで680gと非常に軽量だが、210デニールと薄すぎず厚すぎず、十分な耐久性を備えたRobicナイロンを採用しているところが、よくわかっていらっしゃる!
内と外の両面に防水性に優れたUTS(Ultra Tear Strength)コーティングで補強されているのもポイントで、従来のPU(ポリウレタン)コーティングに比べて30%も強度が高い。加水分解も起きづらいコーティングなので、非常に長く付き合えそうだ。
山でも街でも貴重品の位置がわかりやすい収納は重宝する。
大きく開くメインコンパートメント内には、小物用のジッパー付きポケットやキーループを配置。PCホルダーはハイドレーションポケットを兼用する。
背負ってみると、背面の柔軟なワイヤーフレームが体の動きに追従してフィットする気持ち良さを体感できる。
このフレームは形状記憶スプリングスチールで作られており、旅行用に小さくパッキングできるほど柔らかく、収納袋から取り出すと元の形にすぐ戻るから驚きだ。
ウェストベルトは簡単に着脱可能。
荷物が重たいときは、しっかりと幅を持たせたウェストベルトが荷重を分散させてくれる。不要なときはワンタッチで着脱できるので、街使いにもスッキリと馴染む。
元々、アイスアックスを装着するようなハードな使い方も想定されてデザインされているので、使用対応シーンの幅は格別広い。それに加えて、このスタイリッシュさ。超マルチユースなバックパックと言えるだろう。
同じような構造や素材を採用するブランドのバックパックはなくはないが、やはりアウトドアブランドの作るギアは説得力が違う。重たい荷物を長時間背負ったときや、ハードに使い続けると明らかな差が実感できるだろう。
アウトドアでも街でも、大事な荷物は信頼できるバックパックに委ねたい。