「Camp Gear Note」とは…… コロナ禍で働き方や遊び方が変化したことを受けて、この数年、アウトドアブランドの手掛ける街向きバックパックが大きな注目を集めている。
アウトドアブランドのバックパックは、ときに20kgを超える荷物をストレスなく背負えるタフさ、必要なギアをスムーズに取り出すための使い勝手の良さを徹底的に追求されている。
では、そうして積み上げてきたノウハウを、街使いするためのバックパックに落とし込んだら、一体どのようなデザインに仕上がるのだろう?
そんな疑問の答えとなり得る、特徴的な個性を持つ3つのバックパックをピックアップした。
【写真13点】「コダワリが凄いアウトドアブランドの街用バックパック」を写真でチェック ミステリーランチ:プロに支持される背負い心地の良さを街にも
「ディスクリト24」2万6950円(1.2kg)/ミステリーランチ(エイアンドエフ 03-3209-7575)
ひとつめは、ロッキー山脈の麓で製品開発を行うミステリーランチのアイテムを取り上げてみよう。なんと言っても、そのラインナップの特徴は背負い心地の良さ。
登山家やハンター、森林消防隊、兵士など、飛び切りハードなシチュエーションで使うアウトドアのプロたちから、長年厚い支持を集め続けている。その理由は、重たい荷物を詰めて背負ってみるとよくわかる。
バックパック自体は特別軽いわけではないが、モデルごとに最適な形状と素材を使うフレームが採用されており、効率的な荷重の分散を実現。結果的に、驚くほど軽やかな背負い心地を実現する。
このメリットはコンパクトな街用モデルでも享受できるので、PCも紙資料も躊躇わずガンガン詰め込むべし。
ガバッと開いた状態で自立する。写真は24Lサイズ。19Lサイズもあり。
考え抜かれた使い勝手が良い荷室の構造も、ミステリーランチならでは。
例えば、メインジッパーは逆U字型にガバッと大きく開き、この状態で自立するので、メインの荷室全体がひと目で見渡せる。17インチのノートPCが収納できるラップトップスリーブをはじめ、豊富なポケットやスリットは何をどこに収納すべきかイメージしやすく、持ち物が迷子になりづらい構造だ。
また、ラップトップスリーブのボトムは、バックパックの底から少し浮いた状態で設計されており、荷物を置いたときにボトムからの衝撃がPCに伝わりづらい。
大型のフロントポケットは、上からだけでなく、サイドを大きく開いて荷室にアクセスすることもできるので、底のほうに入り込んだ荷物をごそごそ探す必要がない。
このような小さな気使いが随所に隠されているのも、ミステリーランチらしさである。
フロント部分のベルクロの蓋を開いて上からでも、ジッパーを開けて横からでも、両方開けて大きくでもアクセス可能。
小物入れに最適なトップポケットの絶妙な配置や、伸縮性に優れたサイドポケットの角度、420デニールと非常に耐久性の高いリサイクル素材のコーデュラを採用した頑丈な造りなど、アウトドアフィールドで長年培ったノウハウが随所に活かされている。
「耐久性が高いものを作ることで、捨てるギアを減らして環境へのインパクトを減らしたい」という、彼らの理念にも大いに賛同したい。
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