パラブーツ人気モデル②「アヴィニョン」
「アヴィニョン」ノアール 9万4600円/パラブーツ(パラブーツ青山店 03-5766-6688)
パラブーツのUチップとして「シャンボード」と人気を二分するのが、この「アヴィニョン」。上から2番目の鳩目から、かかとにかけての縫合線など、フランスの伝統的なUチップらしいディテールを採用したロングセラーである。
トウシェイプは「シャンボード」に比べ、ノーズがわずかに長いアーモンドトウ。また、乗せモカシンかつ、つま先の先端に縫合線が入るスプリットトウ構造なので、よりスッキリとした印象を有する。
トータルバランスに優れた造形ともいえ、ビジネスシーンでも使いやすいと評判だ。
アウトソールには「グリフⅡソール」を採用。屈曲性とクッション性、そしてグリップ力の良さには定評があるソールだ。これを、
ミッドソールつきのダブルソール仕様とすることで、見た目の安定感まで獲得している。
アヴィニョンは、スニーカーより「0.5〜1.5小さいサイズ」が目安!
右のアヴィニョンは26.5(UK8)、左のスニーカーは26.5(US8)
岡部店長によると、「アヴィニョン」のサイズ選びは、日本サイズ基準だと、
スニーカーのサイズ-1.0が目安とのこと。
ただし、トウシェイプが、わずかに鋭角的かつ長めなことが影響し、-0.5だったり、逆に-1.5の人もいるそうだ。
写真は26.5(UK8)を使用。ソール全長29.8cm/足囲27.5cm(編集部調べ)
「『アヴィニョン』の木型は、甲がやや薄い一方で、ボールジョイントの幅が広く設計されています。なので、日本人の足には比較的、合わせやすいのでは?と感じています。
また、土踏まずもしっかり抉れており、
より精緻なフィッティングが可能だからこそ、ベストなサイズが分散するわけです。最適なサイズを履くと、足元の『ぐらつきにくさ』を体感できる、なかなか優れた木型だと思います」。
なお、この木型は、同社のダブルモンクである「ウィリアム」にも採用されているのは知っておいて損はない。
パラブーツの人気モデル③「バース」
「バース」アメリカ 3万5200円/パラブーツ(パラブーツ青山店 03-5766-6688)
フランス海軍の潜水艦部隊に納品していた、デッキシューズをもとに開発されたのが、この「バース」だ。パラブーツといえば「山」のイメージが強いが、実は「海」でも大きな実績があるブランドなのだ。
「バース」は、そんな起源が窺い知れるディテール満載のモデル。
まずアッパーには、
撥水性と速乾性に優れ、海水に浸っても劣化しにくい「ボイルレザー」が採用されている。靴紐がレザー製なのも、濡れても解けにくく、劣化しにくいため。さらに、靴紐を履き口に一周させることで、フィット感を高め、脱げにくくしているのだ。
また、踵の後端には「キッカーバック」が備えられている。靴を脱ぐ際に、もう片方の足のつま先で、ここを踏むことで脱ぎやすくした、軍隊ならではの工夫の名残でもある。
底付けは、アッパーとアウトソールとをダイレクトに縫いつける「ブレイク製法(モカシン製法)」。軽くて屈曲性に優れるとともに、足も蒸れにくい。
また、アウトソールに採用した
「マリンソール」は、ヒールとソールとの段差が少なく、船上の濡れたデッキでも滑りにくいよう、
底面に細かな吸盤がついているのが大きな特徴。
ソール・ヒール一体型だが、オールソール交換が可能なのもうれしい。
バースは、スニーカーより「1.5〜2.0小さいサイズ」が目安!
右のバースは26.5(UK8)、左のスニーカーは26.5(US8)
岡部店長によると、「バース」のサイズ選びは、日本サイズ基準だと、
スニーカーのサイズ-1.5が大まかな目安とのこと。
ただし、足の形状や履き方次第では-2.0とする場合もあるのだそう。
写真は26.5(UK8)を使用。ソール全長29cm/足囲23.9cm(編集部調べ)
「『バース』はデッキシューズ、つまり船のデッキでも海水で滑らず、しかも乾きやすいよう設計された靴です。だから、つま先には先芯がつかず、ライニングもつかない簡素な構造にしているわけです。
また、
靴下を履かず(過度に濡れると靴下のせいで不快感が高まり、足さばきに悪影響が出るから)に素足で履くことも想定したモデルです。そのため、履き心地もソフトに設計しています。
この靴らしい、快適な履き心地を味わっていただくために、よりタイト目なフィッティング=ほかの靴より、小さめの日本サイズでご案内しています」。
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