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古伊万里焼は投機としても将来有望



本明さんと言えば、アトモスを世界的な人気ショップに押し上げた実績からもわかるとおり、優れたビジネスセンスの持ち主。投機的側面から鑑みても、古伊万里焼は魅力的なのだそう。

「古い個体は遠い昔に作られたものなので、今の時代にまったく同じものは作れませんし、存在する個体数も少ない。だから市場価値が落ちない。

特に古伊万里焼は清水や唐津、九谷など、ほかの焼き物と比較して人気が高く、海外にもファンが多いので、今後、値上がる可能性が極めて高いんです。

ちなみに僕は現状、そば猪口(ちょこ)だけでおそらく400個くらいは所有していると思います。小皿などほかの器も含めたら2000〜3000個はくだらないですね」。

「カフェまんま」には、多くの種類の古伊万里焼を展示・販売。

「カフェまんま」には、多くの種類の古伊万里焼を展示・販売。


いくら収集癖のある本明さんとはいえ、すべてを集めることは不可能。コレクションをする上でマイルールがあるという。

「例えばスニーカーを集めるなら、最初はエア ジョーダンだけとかエア フォースシリーズだけを集めるじゃないですか。それと同じで、僕はそば猪口から始めました。そば猪口は絵柄が面白いんです。ウサギや仙人など、縁起のいい柄がたくさんあるんです。最近はめっきり出なくなってしまいましたが」。

こちらは唐草模様のようなデザインが魅力のそば猪口。濃いめの藍色も美しい。

こちらは唐草模様のようなデザインが魅力のそば猪口。濃いめの藍色も美しい。


この記事を読んで、古伊万里焼に興味をもつ読者もいると思うが、本明さんが思う、最初に買うべき古伊万里焼とは?

「自分が使っていて飽きないものを買った方がいいと思います。高価なものですし、実際に日常生活で使うものですから。値段的なことを言うなら、小皿がいちばん安いです。使い勝手もいいですし、初心者にはいいかもしれませんね。

特に色付けしたものでなく、印判と呼ばれるいわゆるプリントのものであれば、さらに安くなります。ただ、安いと言っても江戸中期から大正時代にかけて作られた立派なアンティークですから、大事に使っていただきたいですね」。

竹林に佇む親子と思しき虎を描いた八角皿。縁部分の装飾も繊細。

竹林に佇む親子と思しき虎を描いた八角皿。縁部分の装飾も繊細。


本明さんが注視するほど、投機として将来有望な古伊万里焼。いまはピンとこないかもしれないが、とりあえず買っておいて損はないかもしれない。

もちろん、価値が上がらない可能性もある。でも唯一無二の焼き物に囲まれることで、日常に彩りが加わることだけは確かだ。

河野優太=写真 オオサワ系=取材・文

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