梅雨明け以降、全国各地で水難事故が相次いでいる。幼い児童や救出に向かった保護者が犠牲になるケースも目立つが、オーシャンズ世代はこれを決して他人事と捉えてはいけない。
なにせ夏はまだ始まったばかり。これから海や川へ出かける家庭も多いだろう。もちろん大いに楽しむべきだが、最低限の準備は整えてゆくべし。
ということで今回は、水難学会の理事で、東京海洋大学准教授の田村祐司先生が語る
「万が一に備えて覚えておきたい心得」をおさらい。お出かけ前にどうかご一読を。
田村祐司●東京海洋大学准教授、水難学会理事。「マリンスポーツ実習における海洋体験が受講生に与える影響」など論文多数。
家族の命を守る“川遊び”の必修知識「流されたら無理に泳がない!」
夏休みは山でバーベキューやキャンプを楽しむ人も多いだろう。肉や野菜で腹を満たし、冷えたスイカをかじったら、そのまま目の前の川にドボーンッ!……まさに理想的な夏の1ページである。
しかし、浮かれすぎには要注意。文字どおり、川は一瞬の油断が命取りになる。
まず、同じ水遊びとはいえ、川と海では環境が大きく異る。
「海と違い、川は岩や人工物などの障害物が多いのが特徴。また、川底は苔などで非常に滑りやすく、転びやすいので、水中でも滑りにくいリバーサンダルやヘルメットなどがあると安心です。
川釣りなどで直接水に入らない場合でも、水辺に近づくときはライフジャケットを着けましょう。これが川での死亡率を下げる最も効果的な方法です」(田村教授。以下、カッコ内同)。
出典:河川財団『水辺安全ハンドブック』
水難事故の死因で大きな割合を占めるのが「溺死」。言うまでもなく、人間は水中では呼吸ができない。海水と比べ、川の水は浮きにくく、大きく息を吸っても体の数%程度しか浮くことができない。
それでもライフジャケットさえ着用していれば、頭部が水面から出て呼吸は確保でき、生存率は跳ね上がる。
そのうえで、もし川に流されてしまったら、もしくは家族が流されてしまったらどうすべきか。詳細は以下の記事でぜひ確認してほしい。
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