雨の日や登山に欠かせないアウターといえば化繊のシェル。防水、防風で透湿性も兼ね備え、まもなく皮切りになる夏フェスにも、間違いなく味方になってくれるレインウェアだ。
パタゴニアの最新モデルは環境配慮がレベルアップし、フッ素化合物をまったく使わない「PFCフリー」を採用。使用済みの漁網をリサイクルし、海洋汚染の削減にも貢献している。
早速、パタゴニア自慢のシェル3選を紹介しよう。
【写真22点】「パタゴニアのシェル3選。スタッフのイチ押しは『グラナイト』」の詳細写真をチェック 今回訪れたのは……
「パタゴニア東京・神田」 スポーツ用品の大型専門店が集まるエリアの路地裏に2000年12月オープン。春夏はクライミング、秋冬シーズンはスノースポーツを中心としたテクニカルアイテムが並ぶ。カレーの名店「ボンベイ」とは目と鼻の先。
住所:東京都千代田区神田小川町2-3-18電話:03-3518-0571営業:11:00~19:00https://www.patagonia.jp/ この日の案内人は……
パタゴニア東京・神田スタッフの神山知子さんと若井陽介さん。左から「メンズ・トレントシェル 3L・ジャケット」2万5300円、「メンズ・スレート・スカイ・ジャケット」2万8600円、「メンズ・グラナイト・クレスト・ジャケット」3万3000円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
① スタッフおすすめは「グラナイト・クレスト・ジャケット」
ーーパタゴニアの今季イチ押しのシェルを教えてください! 若井 僕のイチ押しは「グラナイト・クレスト」ですね。今回、紹介する3タイプのなかでいちばん値は張りますが、着心地が最高なので結局これを選ぶ人が多いですよ。生地も柔らかくて優しいんです。
ーー本当に柔らかいですね。 神山 使用しているパネルの数も多いんですよ。立体裁断で体へのフィット感が高いのもおすすめですね。脇のベンチレーションのおかげで、雨天で蒸れる一日でも、汗の蒸気を逃がしてくれるので本当に快適です。
止水ジッパーが水の侵入を防いでくれる。
② 大定番!一番人気は「トレントシェル」
ーー次はパタゴニアの大定番ですね。 若井 そうですね。「トレントシェル」は1999年からのロングセラーで、エントリーユーザーにもおすすめの一枚です。
神山 グラナイトほどテクニカルじゃないけど、防水性、透湿性はしっかりあります。デザインがシンプルなので、デイリーで着たい人にもおすすめですね。
首にあたる部分はマイクロフリースの裏地を採用。フードは大きめでヘルメットも着用できる。雨の日の自転車通勤にもおすすめだ。
③ 超軽量! 295gの「スレート・スカイ・ジャケット」
若井 最後に紹介するのは「ストレート・スカイ」。とにかく軽くて300グラムを切ります。
ーー軽っ! 若井 素材もシワになりにくいので、鞄の中にくしゃくしゃっとして持ち運びできるのが意外と便利です。
ほかの2つと違ってベンチレーションはありませんが、フロントのジッパーを開ければしっかり換気できます。無駄を省いたミニマルデザインなので、汎用性も高いと思います。
実はシェルよりも大切なベースレイヤー
ーー シェルのレイヤリングについても教えてもらえると助かります! 神山 それでは、日帰りハイクとロングトレイルに打ってつけのレイヤリングをご提案します。それぞれ初心者と上級者と言い換えてもいいですね。
若井 まず、何よりも大切なのはベースレイヤーなんですよ。どれだけいいシェルを着用していても、インナーを間違えたら意味がありません。
メンズ・キャプリーン・クール・ライトウェイト・シャツ6600円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
ーーそうなんですか? 若井 そうなんですよ。山に行くならインナーを2枚着ることをおすすめします。
ーーインナーを2枚重ねですか? 若井 そうです。汗を吸収したインナーって風にあたると体がすごく冷えるんですよ。インナーの上にハイキングシャツを重ね着するのもおすすめです。インナーを2枚着ることでも代用でき、快適さは持続します。
ーーなるほど、大事なことですね。 神山 インナーが濡れたままだと体温がどんどん奪われますし、低体温症になるリスクもあります。しかも、コットンだと乾きにくいので、必ず化繊を選んでください。
ーー山こそ“化繊”なんですね。 神山 山は化繊がテッパンです。パタゴニアのキャプリーンは濡れても速乾性が抜群で通気性もあるので、本当におすすめです。
メンズ・キャプリーン・クール・デイリー・グラフィック・シャツ 6600円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
スタッフが提案するシェルのレイヤリング
・初心者のレイヤリング
「メンズ・トレントシェル 3L・ジャケット」2万5300円、「ウェーブフェアラー・バケツ・ハット」6380円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
(左から)「メンズ・R1エア・クルー」1万3200円、「メンズ・フーディニ・ジャケット」1万4850円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
ーーでは、ベースレイヤーをしっかり着用した前提でのレイヤリングを教えてください。 神山 日帰りのライトな登山の場合は、シェルの出番がない場合も多くて、ウィンドブレーカーやテクニカルフリースでレイヤリングするのがおすすめです。
シェルはお守り的な存在で、天気が変わって雨が降ったり、寒くなったりしたら着用する感じですね。
ーーシェルはリュックに入るんですか? 神山 パッカブルなので、携帯しやすいですよ。
パタゴニアのシェルは本体のポケットに収納できる。こんなにコンパクトになるなら持ち運びも便利。
ーーパンツは? 神山 パンツはストレッチ性の強いものがおすすめです。「アルトヴィア・トレイル・パンツ」は裾を広げられるのでごっつい登山靴も履けますし、通気性もあるので涼しいです。
若井 化繊のパンツは足運びが楽でいいですよ。レストランの厨房で働く方やメディアの記者さんのワークウェアとしても愛用されてるんです。カジュアルすぎないのもいいみたいです。
メンズ・アルトヴィア・トレイル・パンツ 1万7050円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
ーー職種の幅が広い! 若井 先日も塗装店さんが買って行かれましたよ(笑)。膝の曲げ伸ばしもしやすくて、ウエストにベルトループはありますが一部がゴムになってるので、体を前傾しても腰にストレスがぜんぜんかからないんです。
・上級者のレイヤリング
ーー次は上級者編ですね。
神山さん 一泊以上のロングトレイルの場合は特にベースレイヤーが大切になります。化繊ならすぐ乾くので、連泊でも着替える必要がありません。
「メンズ・グラナイト・クレスト・ジャケット」3万3000円、「アルトヴィア・パック 28L」1万7600円、「クアンダリー・ブリマー」7700円、「メンズ・アルトヴィア・アルパイン・パンツ」1万9800円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
「メンズ・セルフガイデッド・ハイク・シャツ」9900円、「メンズ・ロングスリーブ・キャプリーン・クール・デイリー・グラフィック・シャツ」7700円/パタゴニア(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-8887-447)
ーー荷物も減らせそうですね。 神山 そうなんですよ。快適な状態で登山を続けることが大切になってくるので、キャプリーンが重宝します。
ーーロングトレイルには長袖がおすすめですか? 神山 長袖は虫対策や日焼け防止にもなるので、半袖より快適な場合が多いです。あとは帽子とシャツの襟でも、しっかり日焼け対策をしましょう。
ーーガチ登山でもおしゃれにイケるんですね。 若井 セルフガイデッド・ハイク・シャツは本当におすすめで、ビジネスシーンで使う人も多いのですが、背中にメッシュのタッグが入っているので涼しくてめちゃめちゃ快適です。
◇
今回は、パタゴニアのスタッフがおすすめのシェルとレイヤリングを紹介してもらったが、実は神田ストアには嬉しいサービスがある。ウェアのレンタルサービスだ。
購入する前に製品を使ってみたい! という人はぜひ、夏フェスや登山で試してみてはいかがだろうか。