「鉄仮面」の愛称でも知られる後期型のDR30型スカイライン2000ターボRS。JCCSでも見かけるのは稀な希少車だ(写真:平野 陽)
じつはハンドル位置に関しては、右であろうと左であろうと、なんだったら真ん中だろうと、それ自体に規制は存在しない。何はともあれアメリカ運輸省(DOT)の道路交通安全局(NHTSA)が定める連邦自動車安全基準(FMVSS)に適合していなければならない。
軽トラも意外とアメリカの旧車マニアに人気アリ。なかでもホンダの「アクティ」は、すでに生産を終了していることから、その希少性がマニア心をくすぐるようだ(写真:平野 陽)
だが、当のNHTSAが輸入不適合車を規定しているeligibility listには、「FMVSSに適合していない自動車の輸入は禁止されているが、それは少なくとも25年以上(製造年月日に基づく)経過した自動車には適用されない」と記されている。
つまり製造から車齢25年をすぎたクルマは、輸入するうえでFMVSS適合を証明する必要がなくなるのである。
よく聞く「25年ルール」とは?
日本でしか手に入らない軽自動車の2シータースポーツも人気。ホンダの「ビート」をはじめ、JCCSではオートザム「AZ-1」やスズキ「カプチーノ」なども見られる。ちなみにこちらのビートは、オクラホマ州で登録された車両で、なんとイベント会場まで片道約1500マイル(約2415km)を自走してきたという強者だ(写真:平野 陽)
ちなみに、その一文こそが日米の中古車専門業者や輸出入業者の間で語られることの多い、いわゆる「25年ルール」の根拠にもなっている。
一般的に「25年が経過すれば輸入解禁」と解釈されがちな25年ルールだが、正確には25年経っていないクルマでもFMVSSへの適合を証明するか、適合させるための改造ができれば輸入は可能である。
ただし、そのハードルが極めて高く、実質的には実現が困難であるため、みな25年が経過してFMVSSの適合証明をする必要がなくなるのを、今か今かと待っているというわけだ。
リアエンジンを採用したスバル「サンバー」のワンボックスバン。こうした小型のワンボックスカーはアメリカでは極めて珍しいため、JCCSの会場でもよく目立つ(写真:平野 陽)
また、アメリカの環境保護庁(EPA)が基準を定める排ガス規制についても、諸条件を満たした車齢21年以上のクルマに関しては、輸入するための規制は免除されることになっている。
ということで、車齢25年を経たクルマ、2023年を起点にすれば1998年式より古いクルマに話を絞れば、軽自動車であれ、右ハンドル車であれ、輸入自体のハードルは意外と高くない。
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