焙煎前にやるべきこと
欠けているものや小さなものも焼きムラにつながるので除く。
早速焼き始めたいところだが、その前にちょっとひと手間。
生豆には「欠点豆」と呼ばれる豆が混ざっている。これは未成育だったり、虫食いのある不良豆のことで、取り除かないとコーヒーの風味に悪影響が出てしまう。
これらを焙煎前(気がついたら焙煎後にも)に取り除くことを「ハンドピッキング」といい、味の仕上がりを左右するので忘れずに行おう。
「G」の表記はインドネシアの等級基準。
ちなみに、コーヒー豆店に並ぶ豆の種類の名前に「AAA」「G1」「G3」などの表記が入っているのを見たことはないだろうか。
これは豆の等級を表すもので、産地によって表記や基準は異なるが、欠点豆の混入率が低いことも評価基準の1つとなっている。
特に購入時に現物が見られない通販を利用するときは、覚えておくとよい基準だ。
少し値は張っても、良い炭を使ったほうが美味しく仕上がるのは、BBQもコーヒー焙煎も同じ。
炭選びにもワンポイント。
焚き火は熾火になって炎が落ち着いた状態がコーヒーの焙煎に向いている。必然、熾火の状態が長く保てる、品質の良い炭が使いやすい。
炎が出ている状態の焚き火では、豆にしっかり火が入る前に表面だけが焦がしてしまいやすいので注意しよう。
ちなみに、バーナーを使って焙煎することもできるが、慣れないうちは火加減が難しい。また、外では風の影響で炎が流れやすく、焼きムラができやすい。かといって、自宅のガス台で焼くと焼きカスが出て掃除が大変。
意外に思うかもしれないが、焼きカスを気にする必要がなく、遠赤外線でじんわりと均一に焼ける炭は焙煎初級者向きなのだ。
いよいよ焙煎していこう
重ならない程度が目安。写真で50g弱。
では、いよいよ焙煎の工程へと移っていこう。
まず、ロースターに生豆を入れる。慣れないうちは、容器内で豆が重ならないくらいの量が焼きやすい。欲張ってたくさん焼こうとすると焼きムラが出やすくなってしまうからだ。
手をかざして熱の具合を確かめてみよう。
熾火の量は写真ぐらいあれば十分。つい火に近づけたくなるが、一気に焼こうとし過ぎないことがコツ。
かといって、弱火過ぎてもいけない。手をかざして、「熱っ!」と感じるくらいの距離に網をセットしよう。
大きく円を描くように揺すりながら、全体に熱を行き渡らせるイメージでじっくりと。
豆の皮の焼きカスを「チャフ」という。
豆が温まってくると、なんとも言えない甘い香りがあたりに漂い始める。コーヒー豆店で嗅いだことのある、あの香りだ。
この時点で豆から煙が出てきたら、近づけ過ぎのサインなので遠ざけること。
専用ロースターはチャフを振るい落とすのが簡単。
しばらくすると、コーヒー豆の皮の焼きカス(チャフ)が出始める。
雑味の素になるので、火にかけて振りながらできるだけ落とそう。専用のロースターは片面の網目が大きくなっているので、逆さまにして振るとチャフが簡単に落とせる。
ゴマ煎り器やフライパンよりも便利だ。
3/3