「Camp Gear Note」とは…… 「着火剤」は、スムーズな火おこしに不可欠な焚き火のサポートアイテム。
特に薪や焚きつけが湿っていたり、風があったりとコンディションが悪いときは、着火剤があるとないとでは火おこしのスピードと成功率は大きく変わる。
▶︎すべての写真を見る ただし、「着火剤」であれば、どれを選んでも同じなわけではない。
今回は市販されているさまざまなタイプを使い比べてみて、それぞれどのような特徴があるのか、使いやすいタイプはどれなのか、ベストを探ってみよう。
(※撮影は晴天時、微風の屋外、私有地内で実施しています)
炎の勢いで一気にカタをつける「木屑×石油タイプ」
![着火のしやすさ、炎の勢いはトップクラス。](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/42208/images/editor/6523aaa4e9657f19c60f3e1733d02dd2304d9295.jpg?w=850)
着火のしやすさ、炎の勢いはトップクラス。
まず試してみたのが、昔からよく使われている着火剤の代表格「木屑×石油タイプ」。
木屑を固めたものに灯油やパラフィンを染み込ませたスティック状のもので、「文化たきつけ」などの名前でホームセンターや100円ショップ、ときにはコンビニでも売られている安価で手に入りやすいタイプだ。
![しっかり炎が上がって燃焼した時間は約5分。](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/42208/images/editor/564030f1f5a2353cf96d90ecb070cacf8ea9cf26.jpg?w=850)
しっかり炎が上がって燃焼した時間は約5分。
着火はスムーズで、炎がかなりの勢いで上がってくれる。使う量によっては、炭の着火にも使えるほど、しっかりと燃え続けた。長年、着火剤として愛され続けている理由がよくわかる優秀さだ。
マイナス面を考えてみると、黒煙が上がり、独特な臭いがすること。素手で持つと臭いと油がついてしまう。
また乾燥すると粉々に崩れてしまうので、残った分の保管はジッパー付きの袋が必須なのはちょっと面倒か。
着火のしやすさ:★★★★★ 文句なしの星5つ。
炎の勢い:★★★★☆ 油が燃えている雰囲気。
燃焼時間:★★★☆☆ 勢いがある分、それほど長くはない。
使い勝手:★★★☆☆ 保管を含めた扱いづらさ分でマイナス。
総合点:★★★★☆ 安価で手に入りやすいこともプラス。
慣れないと火傷の危険もある「ジェルチューブタイプ」
![この状態でも火がついている。12分ほど燃焼が続いた。](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/42208/images/editor/10657c8df135eb7cdb29d843b1539481728090f1.jpg?w=850)
この状態でも火がついている。12分ほど燃焼が続いた。
続いては、こちらもよく目にするチューブに入った「ジェルチューブタイプ」の着火剤。
使いたい分量だけを絞り出すことができ、持ち運びやすいことがポイントだ。主成分はメチルアルコールなど。
![炎は目で見えづらいが、杉の葉を近づけると燃えていたことがよくわかる。](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/42208/images/editor/3a26f5bf944d48a04d4507833fab59f57066a4db.jpg?w=850)
炎は目で見えづらいが、杉の葉を近づけると、しっかり燃えていたことがよくわかる。
メチルアルコールは引火する温度が低いので、着火は非常にスムーズ……。のはずなのだが、昼間だと炎が見えづらく、火がついているかわからない!
試しに杉の葉を横に置いてみると燃え上がったので、火はついているようだ。
製品によっては炎が色づくものもあるが、使い慣れないうちは火傷の危険に注意したい。
昼間にも使うことを考えると、結果はイマイチ。
着火のしやすさ:★★★★★ 火はつきやすい。しかし、昼間は炎が見えない!
炎の勢い:★★★☆☆ 暗いところで使ってみたところ、しっかりした勢いが続いた。
燃焼時間:★★★☆☆ 最初に絞り出す量で調整可能。燃えている状態での追加は禁止。
使い勝手:★☆☆☆☆ 慣れないうちは慎重に。量を調整できるのはメリット。
総合点:★★☆☆☆ 初めての焚き火などではおすすめしづらい。少量で事足りるので、1本使い切るには相当な回数の焚き火をしなければ……。
ジェルタイプのマイナス面を補う「ジェル袋タイプ」
![チューブタイプと中身は同じだが、結果はいかに。](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/42208/images/editor/49f051b000b1b99d285d3a0635cc9a5f62ed0495.jpg?w=850)
チューブタイプと中身は同じだが、結果はいかに。
3つめは、ホームセンターや100円ショップでもよく見かける「ジェル袋タイプ」。
中身はチューブタイプと同じだが、こちらは1回分ずつ袋に小分けされており、ベトついたり臭うこともない。袋は開けずに、このまま火をつけて使う。
![しっかりと炎が出続ける燃焼時間は14分。](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/42208/images/editor/8e08e27fbf49fd0719eb19268f9e478b13001665.jpg?w=850)
しっかりと炎が出続ける燃焼時間は14分。
初めは少し火がつきづらかったものの、ジェルだけでなく袋の成分も燃焼するからか、炎がよく見える。
炎の勢い、燃焼継続時間ともに申し分なし。チューブタイプの長所はそのままに、弱点を補う素晴らしい結果となった。
着火のしやすさ:★★★☆☆ つきにくくはないが、つきやすくもない。
炎の勢い:★★★☆☆ 焚きつけに着火するには申し分なし。
燃焼時間:★★★★★ 長い時間、炎の勢いを保ったまま燃え続けた。
使い勝手:★★★★☆ コンディションが悪い時も頼りになりそう。着火のしづらさ分だけマイナス。
総合点:★★★★★ 安価で使いやすく、持ち運びやすい。特に欠点は見当たらない。
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