リマーレ社による廃プラのリサイクルパネル。
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すべての写真を見る 丸いダイアフラムからはアンビエントサウンドが流れ、中央のユニットには3本の真空管が柔らかな発光を続ける。四角い筐体を縦に並べた新手のコンテンポラリーアートのような物体の正体はサウンドシステム。
しかも、廃棄物を含むさまざまな素材でできている。
LP盤が着想源の「マテリアルレコード」によるリサイクル素材の解説パネル。
配線やスイッチのノブまで格好いい。
手掛けたのは2025大阪・関西万博で50以上のプロジェクトに関与した空間づくりのリーディングカンパニー、乃村工藝社の未来創造研究所チーム。彼らが主宰するプロジェクト「マテリアルレコード」が発表したプロダクトである。
国内でもつとに知られる真空管アンプのクラフトマン、小松音響研究所監修とあって音質は折り紙つきだが、ユニークなのは各ユニットの素材だ。
①国内デニム工場から排出される端材を利用した左官材。②漁網など、海から漂着する廃プラなどを活かし製作。マーブル模様が独特。③グリーンピース100%。規格外野菜や食品廃棄物を加工。自然由来のため土に還る。④プラとアルミによる薬や菓子を包んでいるアレがコレに。⑤御影石。耐久性の高い石材の複合パネルを採用。⑥廃棄されたコルクとウールの圧縮材。フェルトのような質感。⑦回収された缶などのアルミ素材を使って作られたハニカム材。⑧節が多く用途がない未利用木板を飯能の森から入手。
デニムの端材を取り入れたモノもあれば破棄されたグリーンピースをベースにしたモノ、御影石や未利用木材といったプリミティブなモノまである。サステナブルの観点から開発されるこうしたユニークな新素材に、どうしたら人々の関心を集められるか? という課題から生まれたのが「ヌーン バイ マテリアル レコード」である。
カレーライスにトウモロコシ、グリーンピースと廃棄された食材の研究も進む。白菜で作った素材はコンクリートの4倍の強度を誇るとか。
お披露目は、俳優の仲野太賀さんらによる旅サークル、ミッドナイト・ピッツァ・クラブの出版記念イベント。異様な存在感を放つサウンドシステムは、視覚でも聴覚でも空間を彩り、ファッションやカルチャーに精通する大人たちから大反響。最近ではファームブランド、カイメンとのコラボイベントも開催している。
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