⑦『シティハンター』全32巻、計7015ページ
予想読了時間=約29時間14分
『シティハンター』北条 司著、週刊少年ジャンプ(集英社) 完全版(徳間書店)で計算。コミック版は全35巻。
男はいくつになってもハードボイルドが好き。というわけで、最後に紹介するのは、北条 司著の『シティーハンター』。
新宿を舞台に、主人公の冴羽 獠が凄腕スイーパー(厄介事などの掃除屋)として活躍する。下ネタを交えたコメディタッチと本格的な戦闘アクションを交えて描いた、ハードボイルドアクションコミックの代表作だ。
毎回現れるさまざまな依頼人から探偵、ボディガード、人探しなど、多岐にわたる依頼を請け負い、獠の神がかり的な感の良さや超人的な銃の腕前、卓越した格闘スキルなどを駆使して解決へと導いていく。
新宿周辺のヤクザやチンピラから「シティーハンター」の異名で恐れられる獠だが、性格は楽観的であり無類の女好きだ。
美女と出会うたびに、「もっこり」というキラーワードを多用し、露骨に迫るお色気演出がほとんど毎回のように訪れる。その度にパートナーである香(かおり)の100tハンマーの餌食になる一連の流れが、作中のお約束となっている。
そして、女性刑事・野上冴子の存在も外せない。
北条司作品の魅力のひとつが、男心に刺さる女性キャラクターを多く生み出していること。その中でも、冴子がはなつ妖艶な大人の色気は別格であり、物語に登場するたびに当時の男子たちは鼻の下を伸ばしたものだ。
また、獠と深い因縁で繋がれた元傭兵の海坊主(別名:ファルコン)も重要な存在。
バズーカなどの重火器による大味な戦闘を好むほか、ブービートラップを駆使した緻密な戦術にも長けており、引き出しの多い戦闘のスタイルと独特のキャラクターがいい味を醸し出している。
連載開始から40年近く経つこの秋に新作映画の公開が予定されるなど、長年にわたって根強い人気を誇る『シティーハンター』。
久しぶりに『ゲット ワイルド』を聴きながら、約30時間の一気読みなんてどうだろう?