森山直太朗のインタビューは東京・三宿にある「森山珈琲」で行われた。森山が自身の珈琲「直太朗ブレンド」を共同開発した店でもある。同じ「森山」だが血縁はない。
インタビュー前編に続き後編は、森山が愛してやまない珈琲や、2拠点生活をしている山小屋の話から始めよう。
森山直太朗●1976年東京生まれ、フォークシンガー。26歳でメジャーデビューし、『さくら』『夏の終わり』を翌年に発表。最近はNHK土曜ドラマや連続テレビ小説に出演し、役者としても活躍中。全国100カ所以上をまわる20thアニバーサリーツアー「素晴らしい世界」はそろそろ最終章。1月23日には自身初となる弾き語りベストアルバム『原画I』『原画II』をリリースした。
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「珈琲は毎日飲むくらい好きで、自分でイベントに店を出したこともあるんです。氣志團さんが主催した『氣志團万博』で。バックステージにお酒しかなかったんで、インディーズ時代から友達の綾小路翔君に頼んでキッチンカーで出店させてもらいました。そういう助走があっての、今回の直太朗ブレンドです」。
同じ森山なのでややこしいが、どういう経緯で「森山珈琲」とオリジナルブレンドを作ることになったのか。
「三宿周辺には好きな家具や雑貨のお店があるので、よく来るんです。そしたら、たまたま自分と同じ名前の『森山珈琲』という看板が目に入ったんですよ。それでふらっと入ってみたら、珈琲がとてもおいしくて。店のオーナーさんに『コラボしませんか?』って後日連絡をさせていただいたのがいきさつです」。
森山珈琲 三宿焙煎所の森山裕介さん(右)「パナマゲイシャは高級な豆なのでブレンドする人はまずいないんです。でもどうしてもっていうことで、フルーティで果実味のある香りに、豆を3種ブレンドして深みや骨格を肉付けしました。世界に一つだけの唯一無二の味になったと思います」。
森山のフットワークの軽さとまっすぐな性格が伝わるエピソードだが、気になるのはその味だ。
「いい珈琲は、水のおいしさを感じさせるっていうのが僕の持論です。だから、水のおいしさを引き出す豆のブレンドと煎り方にこだわりたいと店長にはお願いしました。
2人でへとへとになりながらたどり着いた味ですが、豆は全部で4種類。どうしても外したくなかったパナマゲイシャをベースに、エチオピアなど3種類をブレンドしています。すごく味わい深いっていうよりは、どちらかというとあっさりかな。スイーツと合わせると丁度いい感じに仕上げてます」。
ドリップバッグ「森山珈琲-直太朗ブレンド-」1袋(1杯分)375円(税込)。「森山珈琲」では販売して いないのでご注意を。購入したい場合は森山直太朗オフィシャルサイトから。
山小屋を購入した理由は「男のロマン」
森山は9年ほど前に山小屋を購入し、早いうちから2拠点生活を実践している。きっかけは何だったのか。
「山小屋って、男にとってはロマンというか憧れですよね。隠れ家であり、ベースキャンプのような場所です。でも、購入した当時は何のプランもビジョンもなく、本当に形から入りました。
畑をやりたいわけでも、スローライフをやりたいわけでもなかったので、最初はおぼつかないんですよ。変な優越感とちょっとした虚無感みたいなのが入り混じって、ひとりで飲めない日本酒を雪見酒にしてるみたいな(笑)」。
だが、そんな山小屋も今では森山にとってなくてはならない場所となっている。多いときは月の半分は山に籠もっているのだとか。
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