インドコーヒーを日本の皆さんにも味わってほしい
’21年からは日本でも展開している。「日本のコーヒー文化は興味深いです」と言いながら……。
「日本には大きな可能性があると信じています。カフェを訪れる人が多い印象ですが、そこでインド産のコーヒーを味わう機会がほとんどないのが実情。
インドコーヒーならではの柔らかい酸味としっかりとしたボディ、そしてチョコレートフレーバーは今後、たくさんの方に好まれるのではないかと思っています。またサステナブルなコーヒー豆の生産など、インドコーヒーのストーリーを語ることで多くの魅力がより伝わるのではないかと考えています。
そして何より、日本のコーヒー文化はひとことでは言い表わせないほど多様性があります。最新のカフェだけでなくクラシックな喫茶店もあって、地下鉄に乗れば缶コーヒーを飲んでいる人もいる(笑)。そういった意味でもブルートーカイ コーヒーには、受け入れられるチャンスがあると思っています」。
理想の男性像は、仕事と家族の時間のバランスをきっちり取れる人。その理由は、愛する我が子たちへの想いに通ずる。
「現在はどちらかというと妻のほうが子育てをしていて、私は子供たちとの大事な時間を失ってしまっているので、仕事と育児の時間を平等に分かち合えるような男性になることが理想です。
今の状態のままだと、子供たちはおそらく妻のほうに懐いてしまい、私とは距離ができてしまうのではないか不安で……(笑)」。
ふたりの娘さんは既にコーヒーを愉しんでいるか訊くと「まだ大嫌いみたいです(笑)」と、残念そうに。
「ちゃんと味わって飲めるようになるのは、僕と同じで20歳過ぎた頃かな。そのころまで、レスリングの相手をしてくれるといいですけど(苦笑)。あ、そうそう、最近長女がテニスをやりたがっているので、今度私が教えるんです。実はそれもすごく楽しみで」。
そう目を細めて語る表情から、コーチとして娘に対してかなり優しく指導する姿が目に浮かぶ。マットは愛する娘にとことん甘いパパなのだ。自身が子供の頃によく飲んでいた、ミルクたっぷりの甘く優しいコーヒーのように……。
マット・チタランジャンの10問10答
Q1.周囲に自慢できることは?
インドでスペシャルティコーヒーのパイオニアになれたこと。
Q2.朝起きて最初にすることは?
コーヒーを淹れる。
Q3.最後の晩餐に食べたいものは?
寿司(はまち)。
Q4. 日本で行ってみたい場所は?
京都。
Q5.肌ケアは何をしている?
ベイキングソーダ(重曹)で洗顔。
Q6.一日が3時間増えたら何をする?
寝る。
Q7.憧れている偉人は?
スターバックスの創業者、ハワード・シュルツ。
Q8.生まれ変わったら何になりたい?
自分。
Q9.自分へのご褒美にすることは?
ビールを飲む。
Q10.最近してしまった失敗は?
時間と労力をかけて商品開発に取り組んだが成功しなかったこと。
マット・チタランジャン●アメリカ生まれ。大学で金融と経済を学んだあと、経済開発の仕事に就くために父親の母国のインドに渡る。自身も無類のコーヒー好きだったことから2013年にブルートーカイ コーヒー ロースターズをニューデリーで創業。今はインド原産のコーヒーを世界に広める活動をしている。