オリック東京法律事務所・ 外国法共同事業 東京オフィス代表
▶︎すべての画像を見る 世界を舞台に活躍する国際的な弁護士・矢倉信介さん。多忙な日々を過ごしつつ、3人の子育てに積極的に参加しているというまさにイクメンの鑑。
公私ともに大充実していると言い切れる矢倉さんのFUN-TIME事情に迫る。
誰かのために働けて自分が成長できる弁護士の仕事は天職
28階、東京タワーとスカイツリーが一望できる瀟洒な弁護士事務所。
ここで思い出したのがドラマ「SUITS/スーツ」。法曹界を舞台に、エリート弁護士と天才青年を中心に繰り広げるアメリカの人気ドラマで、日本でも織田裕二さんの主演でドラマ化された。
「今日はよろしくお願いします」と主役の矢倉は颯爽と現れた。ネイビー地に繊細なピンストライプを配したスリーピース。しなやかで精悍なスーツ姿には上品な貫禄があり、ドラマで織田さんが演じた裁判で勝つためには手段を選ばない辣腕弁護士、甲斐正午を彷彿させる。
だが、袖口で大人な存在感を放つジャガー・ルクルト レベルソについて訊くとそのクールな雰囲気も一変。糸のように目を細めながら「結婚10周年のお祝いに妻からもらったものです」と、マスク越しでもわかるほど優しい笑顔を広げ、なんとも温かなオーラを放つ。
大学在籍時に資格を取得して弁護士としての活動をスタートさせると、着々とキャリアを重ね、今では国際弁護士として世界を舞台に活躍している。誰もが知っているであろう国内外の有名企業や世界的な要人から絶大な信頼を獲得しているのだ。
類いまれな知性のみならず、優れた人間性をも兼備したエリート弁護士。いったいどんな英才教育を受けてきたのかと思いきや「両親からは特に何も言われなかったです。進学先も全部ひとりで決めましたし」と、こともなげに言いながら続ける。
「温かく見守ってくれて勉強しろとはいっさい言われず、自由に好きなことをさせてもらいました。とにかく昔からすごい凝り性でしたね。
小学3年生のときに、アンテナが大好きで「なぜあれでテレビが映るんだろう」って不思議に思い、図書館で調べたり親戚中に電話して聞いたり、最終的にはアンテナの製造メーカーに何度も電話で質問をしました(笑)。
とことんやり尽くすことは私の原点になっているので、その環境をつくってくれた親には感謝しています」。
ただ唯一、両親から言われていたのが人に対する接し方。
「常に人の気持ちを考えて優しくしなさいとか、人のために尽くしなさいということは言われていました。そのせいなのかはわかりませんが、昔から人に頼まれたことは、全力でやるのが好きでした。自分のことよりも他人優先といいますか」。
誰かのために世界を飛び回り、人のために尽くしたいと思い、自身の未来を考えた結果、出てきたのが弁護士という仕事。
「誰かのために働きたいとか、人の喜ぶ顔が見たいという思いは昔からあったわけですが、法曹界に身を置いてそれを実現させるなら、裁判官や検察官ではないと思ったんです。やはり個人の方や、企業など、依頼を受けてその人のために頑張る弁護士という職業は性に合っていると確信しました。
あとは仕事するうえで自分がいかに成長できるか、常に勉強して自分を高めていけるかも重要だと思っていたので、それが実現できるのも弁護士なのかなと」。
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