プロ ローンチエディション、648万8000円。
▶︎すべての写真を見る フォルクスワーゲンの世界戦略モデルである「フォルクスワーゲン ID.4」。
自動車ブランドで初めて、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」にコミットして以来、カーボンニュートラルを目指す同社にとって、一丁目一番地的な存在だ。
前方を検知して片側18個のライトを自動操作するヘッドランプや、3Dのように見えることで視認性が向上したテールランプなど、機能的かつ未来的なあしらいにも抜かりがない。
生活に馴染む乗り心地
フォルクスワーゲン(以下、VW)のBEV(電気自動車)を包括するサブブランドがID。現在、世界各地ではゴルフ級のサイズとなるID.3や3列シートSUVのID.6、往年の「バス」ことタイプ2を思わせるミニバンのID.BUZZなどが販売されています。
その中で日本に初めて上陸したのが、世界戦略車に位置付けられているこちらのID.4です。
IDシリーズの特徴はMEBというBEV専用のアーキテクチャーを用いていること。エンジンがない前提で車台を構築していますから、床は平らで面積も広く、室内空間が最大化されています。実際、ID.4は広々とした後席や大きな荷室など、ファミリーカーとして十分に使えるパッケージになっています。
2つあるグレードの最大の違いは、搭載しているバッテリーの容量で、航続距離は435kmと618km。BEVといえば猛烈な加速を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ID.4はそんな無駄には目もくれず、十分な力強さを備えつつも、うんと上質で扱いやすい走りを実現しています。このあたりの見識の高さにVWらしさを感じます。
加えて、同門のアウディやポルシェのディーラーに設置された充電網も利用できるのは大きなポイント。日々の生活との親和性が高いBEVといえるでしょう。
| 自動車ライター 渡辺敏史 出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。 |
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