▶︎すべての画像を見る 家を建てるなら、電気や水などのインフラが整備されていることが不可欠だ。
だが、そんな常識を飛び越えて、電線も水道もいらない自給自足の“家”を可能にするシステムが登場した。
オフグリッド型居住モジュール「ウェザー(WEAZER)」である。
モジュールを輸送して好きな場所で組み立て、電気や水道といったインフラは自然エネルギーから自給する画期的な居住ユニット「ウェザー」。価格は未定だ。
その名のとおり、送電網などに繋がれていない居住ユニットのことで、建物の形は自由自在。コンテナの規格に応じてパーツを持ち運んで組み立てれば、あっという間に家ができあがる、という仕組みらしい。
「好きな場所に好きな家を置く」。そんなプラモデルみたいな話、にわかには信じがたいが、写真を見るかぎりなかなかの完成度だ。
しかも、サイズ感や利用目的ごとに、3種類のバリエーションまで用意されている。
ユニット建築に基づくフラッグシップモデル「タイプU」。
従来の建築手法と革新的なエネルギー技術を組み合わせたオーダーメイド・モデル「タイプA」。個人所有や別荘用途を想定。
必要最小減の機能を揃えたエントリーモデル「タイプS」のイメージ。災害時の緊急避難場所としての利用を想定。
そもそもこのウェザーは、無人島や地平線を見渡せる荒野、美しい湖畔といった、世界に散らばる絶景ポイントでの滞在を出発点に開発されたもの。こういった景勝地では、自然保護などの観点からインフラを整備するまでのハードルが高い現実がある。
そこで考えられたのが、自然の力を活用したエネルギーの自給自足システム。ウェザーが“オフグリッド”たるゆえんである。
電気は太陽光発電で生活電力のすべてを賄い、水は雨水を濾過・滅菌して供給。気になる汚水や排水も、特殊な浄化装置で土壌分解させることで、自然の中に循環させる仕組みが備わっている。
もちろん、CO2排出量はゼロ。既存インフラから独立しているぶん、見方を変えれば災害時のリスクにも強い。
しかも、太陽光から与えられた電力の余剰分を電気自動車に活用すれば、移動手段を失う心配もない。
環境保全が一層叫ばれている昨今、未来へ向けた新しい居住のカタチとして、コンセプトも中身もいいことづくめの「ウェザー」。それだけに、「そんなにうまくいくものなの?」と、疑念が拭えないのも正直なところ。
そんな人はぜひ、静岡県・西伊豆にオープンしたオフグリッド型宿泊施設で実際に体験してみよう。
太平洋を望む絶景が魅力の宿で、予約は1日1組限定。価格は1泊2名で12万円ほどだ。詳細はウェザーを企画・販売する「アース」の
ホームページにて。
将来への備えとしても、目をつけておいて損はないはずだ。
[問い合わせ]アース03-6231-0789