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3年前、メデイロスがUFCで初勝利を挙げたばかりの頃は、ハワイとトレーニングキャンプのあったカリフォルニアを頻繁に行き来していた。

最近は、完全に拠点をオアフに戻した。ワイアナエでクロストレーニングをこなすこともあるが、メデイロスはカリヒかカカアコに出向いて、チームメイトと合流する。

プロの総合格闘家にとって、シーズン中とかシーズン終了といった概念はない。戦うことは日々の生き方なのだ。スケジュールは週ごとに異なるが、メデイロスが週に40時間のトレーニングを課していることに変わりはなく、これは9時5時の仕事と同じである。

練習メニューは日々変わり、レスリング、柔術、ストレッチ、コンディショニング、ムエタイを組み合わせる。最近では、ヨガもメニューに加えるようになった。6時半に起床したら、カポレイにあるビクラムヨガの9時のクラスに向かうのが習慣だ。

「年を取ってきただろ。だからといってしゃかりきになる必要はないんだ。別のところで頑張らないと、賢くやらないとね」と言い、「俺たちの身体は肉体的な面での維持しかできない。だからこそ、時の流れに合わせて最適なパフォーマンスをどうやって持続するか。成長したかったら、ものごとを変えていかないと」と続ける。

メデイロスは、コミュニティへの恩返しとして、若者に自分と同じ道を呼びかけている。メデイロスがキャリアをスタートさせたジム「ウエストオアフMMA」では、トレーニングをしたいとやってくる若者に門戸を開いており、メデイロスもしょっちゅう様子を見に来ては、グローブをつけて、彼らと練習を行う。

「若者をストリートから遠ざけたいんだ」。こう語るメデイロスは、若い頃に路上での喧嘩をまったくやらず、そのエネルギーを格闘技に向けたことを誇りに持っている。

「俺が行くと、彼らの目が輝くんだよ。それで『ここが俺の出発点なんだ』って声をかけてやる。俺もあのくらいの年頃は、逆境から抜けだした人物を目にすることでやる気が起きた。だからこそ、できたら俺の仕事を見せることで、誰かのやる気を刺激できたらいいなと。

戦うことがすべてじゃない。一番になることだけじゃない。落ち着いて安定していること、そして良い影響を与えるロールモデルであることが大切なんだよ」。




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