規制緩和の主な内容
2社の新モデルなどを紹介する前に、今回行われた規制緩和について簡単に触れておこう。
8ナンバー登録のキャンピングカーは、道路運送車両法などの法律で定める「特種用途自動車等」に該当し、一定の構造要件をクリアする必要がある。構造要件には、10L以上の水を貯蔵できるタンクを備える必要があるなど、さまざまな要件があるが、今回の改定では、主に次の2項目について注目されている。
1つ目は、ギャレーと呼ばれる水道設備および炊事設備、いわゆるキッチン部分における床から天井までの高さ。調理などをする際、十分な空間スペースを確保する必要があり、最低基準が規定されているが、従来は「160cm以上」の高さが必要だった。
それが今回の改正では、キッチン自体の高さが「85cm以下」の場合、床から天井までの高さは「120㎝以上」に変更された。つまり、より低い室内高の車両でも8ナンバー登録ができるようになったのだ。
2つ目は、就寝定員に関する構造要件の変更だ。従来は「乗車定員の3分の1以上(端数は切り上げることとし、乗車定員3人以下の自動車にあっては2人以上)」という規定内容だった。
それが改訂後は「乗車定員の3分の1以上(端数は切り捨てることとし、乗車定員2人以下の自動車にあっては1人以上)」となっている。
ちなみに就寝設備は、いずれも大人用で、大人用就寝設備を1名分以上設置している場合は、子供用就寝設備2人分をもって大人用就寝設備1人分と見なすことができる。
規制緩和の注目点
今回の規制緩和では、「乗車定員の3分の1以上」という規定自体は変わらないが、「端数は切り上げ」が「端数は切り捨て」となったことと、「乗車定員2人以下の場合1名以上」となったことがポイントだ。
そのため、従来は、4人乗りの軽自動車やコンパクト商用バン、5人乗り乗用車がベースのモデルでは、最低2名分の就寝スペースが必要だったが、一方、新しい構造要件では、5人乗りまでなら就寝定員は1名でも8ナンバー登録が認められることになったのだ。
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