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2022.09.06

規制緩和で注文が殺到。手軽に楽しめる「小型キャンピングカー」の新常識とは?

ステージ21が手掛けたタウンエースバンをベースにしたキャンピングカー(筆者撮影)

ステージ21が手掛けたタウンエースバンをベースにしたキャンピングカー(筆者撮影)


当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら

「注文が殺到し、製造が追いつかない」。

嬉しい悲鳴を上げるのは、神奈川県相模原市を拠点にキャンピングカーを製造する「ステージ21」だ。担当者は、同社の新型モデルについて「売れ行き好調」だと語る。

また、長野県上高井郡のメーカー「フロットモビール」では、「開発した新作が売れてしまい、新たに製作中だ」と、イベントに展示する新作車両がないほどだった。
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これら2社に共通するのは、従来からコンパクトサイズの商用バンであるトヨタ「タウンエースバン」をベースに、外装をほぼ純正のままにしたキャンピングカーを販売し、人気を博していたことだ。

いずれも従来は、ノーマル車両と同じ4ナンバー登録の車両として販売していたが、2022年4月1日から8ナンバー登録のキャンピングカーに関する構造要件が緩和され、新しい規定に対応したモデルをいち早く製造。

これらがユーザーから大きな反響を得ているというのだ。

規制緩和で、キャンピングカーはどう変わる?

今回の規制緩和は、キッチン部における天井の最低室内高が低くなったことと、ベッドの就寝定員を少なく設定できるようになったことが大きな注目点だ。

詳しくは後述するが、この規制緩和により、今まで8ナンバー車にできなかった車両でも、正式には「特種用途自動車等」と呼ばれるキャンピングカーの登録が可能となった。

ここでは、施行されたばかりの新規定をビジネスチャンスと捉え、新作を手がけた2社を「東京キャンピングカーショー2022(2022年7月23~24日・東京ビッグサイト)」で取材。

それぞれが考える市場ニーズの高まり方、それらに基づいて開発した新製品の特徴などを紹介することで、キャンピングカーの新たなトレンドに迫ってみたい。
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規制緩和の主な内容

2社の新モデルなどを紹介する前に、今回行われた規制緩和について簡単に触れておこう。

8ナンバー登録のキャンピングカーは、‪道路運送車両法‬などの法律で定める「特種用途自動車等」に該当し、一定の構造要件をクリアする必要がある。構造要件には、10L以上の水を貯蔵できるタンクを備える必要があるなど、さまざまな要件があるが、今回の改定では、主に次の2項目について注目されている。

1つ目は、ギャレーと呼ばれる水道設備および炊事設備、いわゆるキッチン部分における床から天井までの高さ。調理などをする際、十分な空間スペースを確保する必要があり、最低基準が規定されているが、従来は「160cm以上」の高さが必要だった。

それが今回の改正では、キッチン自体の高さが「85cm以下」の場合、床から天井までの高さは「120㎝以上」に変更された。つまり、より低い室内高の車両でも8ナンバー登録ができるようになったのだ。
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2つ目は、就寝定員に関する構造要件の変更だ。従来は「乗車定員の3分の1以上(端数は切り上げることとし、乗車定員3人以下の自動車にあっては2人以上)」という規定内容だった。

それが改訂後は「‪乗車定員の3分の1以上(端数は切り捨てることとし、乗車定員2人以下の自動車にあっては1人以上)‬」となっている。

ちなみに就寝設備は、いずれも大人用で、‪大人用就寝設備を1名分以上設置している場合は、子供用就寝設備2人分をもって大人用就寝設備1人分と見なすことができる。‬

規制緩和の注目点

今回の規制緩和では、「乗車定員の3分の1以上」という規定自体は変わらないが、「端数は切り上げ」が「‪端数は切り捨て‬」となったことと、「‪乗車定員2人以下‬の場合1名以上」となったことがポイントだ。

そのため、従来は、4人乗りの軽自動車やコンパクト商用バン、5人乗り乗用車がベースのモデルでは、最低2名分の就寝スペースが必要だったが、一方、新しい構造要件では、5人乗りまでなら就寝定員は1名でも8ナンバー登録が認められることになったのだ。
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