言葉③「迷っている時間だけ遅れるし、チャレンジしているときが最強だと思っている」
Q:夢を叶えられる人と、なかなか達成感を持てずに足踏みしてしまう人の違いはどこにあると思いますか? 例えば宇宙船を作るでもいいですけど、まずネジが必要で、それを作る工場があってっていう、毎日毎日小さなものを達成していくことが大きな夢に繋がっていくんですよ。いきなり大きいものを果たそうとするんじゃなくて、今日1日1枚描くことが繋がっているなら、それを描けたらOKみたいな。
Q:自分の中の小さな変化を認めていってあげるイメージですか? そうですね。今日できたこと、もし自己ベストを更新できたんだったら一歩でも近づけたんだと思うので、褒めてあげるというか認めてあげればいいですよね。
Q:田村さんが現状に満足せず、走り続けられる原動力はどこにあるのでしょうか? 実現したい未来に1日でも早くたどり着きたいからですね。迷ってる時間分遅れるので、限られてるじゃないですか、人生は。
僕の1個下の友人が30歳ぐらいで病気で亡くなってしまったんです。彼はもともとパティシエになりたくて、でもなれなくて地元に帰ってきて、バスケを通じて知り合ったんですが、仲が良かったので、僕が弔辞を読んだんです。
そういうのもあって、限られた人生で1日でも早く未来を実現するって大事だなって。死を意識することで生を見直せた。そういう経験も大きいかもしれないですね。
Q:限られた時間だからこそ、環境を変えることを怖れたりせず、成長できると思う方向には思い切って飛び込んでみた方が良いと? (そういう)環境に行くのが大事だと思います。一流のところに何とか頑張って行けば、やっぱり見つけてくれる人がいたり、優れた仲間がいるんで。
行動しないで嫌な環境に居続けることは結局痛みがあるじゃないですか。どうせ痛みを受けるなら、新しいところに行動した方が未来がある。そう思って行動することが大事なんじゃないですかね。
Q:田村さんのように、自分の得意な世界を見つけて輝きたい人はたくさんいると思います。一歩目を踏み出すアドバイスはありますか?
やっぱり自分が得意なことを伸ばした方がいいと思っていて。
人から上手いねって言われるものとか、自分が好きでずっと人より秀でているなと思っているものって、生きてきた中で何かあると思うんですよ。自分の得意なものの延長にあるものを身に着けていくのがいいんじゃないかと僕は思いますね。
Q:最後に、田村さんの次なる野望、目標を教えてください。 世界を代表するアーティストになることですね。世界中の人が、例えばKAWSとかバンクシーって挙げていく中に、ダイ・タムラが並びたい。めちゃくちゃ大きな目標なんですけど、そうなるにはどうしたらいいかですよね。
絵描きって死んでから価値が上がるイメージがあるじゃないですか。でもSNSの時代にそれは絶対ないと思っていて、僕は死んでから絵の価値が上がることにあまり興味ないし、やっぱり生きてる間にどこまでいけるかが勝負だと思うんですよ。戦いですね。
[Profile]田村大(たむら・だい)●1983年9月10日、東京都八王子市生まれ。高校時代にバスケットボールでインターハイでベスト8。大学時代は主将を務める。卒業後本格的に絵の勉強を始め、17年まで7年間、似顔絵製作会社に勤務。2016年にISCAカリカチュア世界大会で総合優勝。18年に独立。日本を代表する選手である八村塁や渡邊雄太を始め、ステフィン・カリーやシャキール・オニールなどの著名なNBA選手からも高い評価を受けている。2019年からはアートの世界でも作品を発表。国内外から高い評価を受けている。