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2022.07.25

ライフ

優しい食品店「フード&カンパニー」で渡辺真史さんが見た、“気軽で楽しい”オーガニック

訪れたのは渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。

訪れたのは渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。


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軒先のベンチに腰掛けて、ガス入りのマテ茶をいただく。珍しいオーガニックティーを教えてくれたのは、今回の訪問先「フード&カンパニー」のオーナー、白冰(バイ・ビン)さん。

2022年の3月にオープンした4店舗目「代官山ティーサイト店」を訪れた。

 はじめまして。集合に少し遅れてしまってごめんなさい。

渡辺 いえいえ。よろしくお願いします。いきなりですが、ホームページを拝見して引き込まれました。コンセプトが明快で、探究心がすごい。

 目指しているのは、カラダにも地球にも優しいグローサリーストア。野菜や調味料などオーガニック食品を主に取り扱っていますが、以前住んでいたNYのショップを参考にしていて。

渡辺 店に入ると確かに海外の匂いがするかも。自然体な雰囲気というか。

 日本でオーガニックというと、ハードルが高く、難しいと感じるかと思います。ある側面では、ファッションとして捉えられることも。でも、僕たちの考えるオーガニックは、もっと日常的に取り入れられて、気軽で楽しい感じ。生産者の想いをお客さまに正しく伝え、もっと身近なものにしたいんです。

渡辺 食べ物が人を形作るわけだし、そういう人間味のあるコミュニケーションや思いやりは大事ですよね。



 実は僕、もともとファッション業界にいたんです。でもいざ働いてみたら、自分の理想とは違っていた。もっと生産者と消費者が一緒に豊かになれることを探しているうちに、「オーガニック」というワードが近いなと感じて。

渡辺 なるほど。でも僕は、服も食と同じく人格を形成するポテンシャルを秘めていると思います。自分で着るもの、食べるもので気分も変わる。だから白さんのアプローチには共感できる。

 ありがとうございます。

渡辺 しかもそれを、ここでやるのが面白いなと。いわゆる隠れた名店ではなく観光地的な場所に店を開く。純粋にこのスタイルを広く知ってもらいたいという気持ちが伝わってきます。

白 日本の一般的なスーパーマーケットって、すごく効率的なんです。でもその分、画一化されてバリエーションが少ない。だから、「こういう店もあるんだ」と知っていただきたくて。選択肢が多いことが、豊かな暮らしの土台になると思っています。

渡辺 フード&カンパニー。シンプルな名前でわかりやすくていいですね。

 結構悩んで付けたのですが、あまり覚えていただけなくて(笑)。ちなみに、カンパニーは会社じゃなく、仲間のほう。語源はカンパニオで、一緒にパンを食べる仲間を意味するそうです。

渡辺 すごい、ぴったりの名前だ! 

ーー柔らかい日差しと、ティーサイトの新緑を映すガラスの壁。自然と一体化したような、優しいショップの本質を垣間見た気がした。
「フード&カンパニー 代官山ティーサイト店」
住所:東京都渋谷区猿楽町16-15 代官山ティーサイトガーデン 5号棟 1F-A
電話番号:03-5990-4783
営業:10:00〜20:00 年中無休
instagram@foodandcompany_grocery


若木信吾=写真 増山直樹=文

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