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バギーズから感じられるブランドの幅

そして、9年来の付き合いというバギーズは、今やサーフィンだけでなくあらゆるシーンで活躍しているという。



「サーフィンをしないときでも、バギーズはもう僕の中では海で休日を過ごす時の正装。サーフィンに行くときはもちろん、旅先に海があれば必ず持参します。やはり、海と街を行き来できますからね。それはもうサーフィンをやってる人にとってはうれしい要素だと思います」。

もちろん、他のサーフブランドのアイテムにも手を出したことはある。しかし、やはりパタゴニアにはたと一線を画す魅力があるのだという。



「やはりサーフブランドのプロダクトは優秀ですが、“街視点”で見れば、デザインなどは少々異質に思うときもあります。だけどパタゴニアは、ライト層からもハード層からも支持を得ていますよね。それはやはり、バギーズのように海以外での使用も視野に入れるなど、様々なアプローチのもとアイテムを作っているからだと思うんです」。

井上さんの先輩たちの中にも“パタゴニアン”は多く、その事実からもブランド力が感じられるとか。



「先輩たちはもちろん、後輩でパタゴニアを愛用している人間もすごく多いんですよ。幅広い層に受け入れられ、使用シーンも海だけじゃない。これだけ幅のあるブランドもそうそうないと思います。

某セレクトショップでずっと働いていた先輩は、30代後半に退社して今はパタゴニアで働いています。セレクトショップでは22歳の頃から働いていたので、勤続15年ですよ。簡単な決断ではなかったと思いますけど、ブランドのマインドに惹かれて移ったんですよね。でも、その方の気持ち、今ならすごく分かる気がします」。

ブレないスタイルと確固たる信念に共感

これまではもっぱらサーフィンのギアを購入するケースが多かったが、最近では若い頃を思い出し、古着屋などへ掘り出し物を探しに行くこともしばしば。



「古着屋では、パタゴニアのヴィンテージでも特に珍しいモデルがたまに眠っていたりするんです。そういうのを探しに行くのが楽しい。それもまたパタゴニアの魅力かもしれません。ショーケースに飾られてもおかしくないようなモデルを見つけたときはテンションがアガっちゃいますよね」。

アウトドアウェアでありながら、ファッションとしても確固たる地位を築くパタゴニア。それはもはや、井上さんの日常に欠かせない存在となっている。



「普段着る際は、ストリートベースのファッションに落とし込んでいくパターンが多いですね。例えばロンTにバギーズ。これだけで海も街も行き来できる。単純な組み合わせですが、不思議とサマになるんですよ。しかも、白とブルーの配色であれば、すこぶる爽やかに見えます」。



他にパタゴニアのフリースのセットアップも愛用していて、特にキャンプなどで重宝しているとか。

井上さん曰く、パタゴニアには歴史があり、ブレないスタイルがあり、確固たるポリシーがあるからこそ絶対的な信頼がおけるという。その口ぶりからは、今後もきっと長い付き合いになるであろうことを強く確信させる。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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