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大事なのは容量よりもライフスタイルとの親和性

諸先輩方の薫陶を受け、中田さんも多くのパタゴニアを所有してきたが、今も肌身離さず持ち歩いているのがこのバッグ。すでに3代目にあたるという。



「パタゴニアはバッグがたくさんあって、定番をずっとアップデートしてるイメージですね。このウエストバッグもそうで、ベースモデルはだいぶ前にリリースされ、そこにパッカブル機能が加わりました。この手のタイプを使い出してかれこれ10年以上になりますね」。

昔から出歩く際に物は持ち歩かない主義。ただ、手元にないと落ち着かない物もあり、それらがすっぽり収まるサイズ感なのだという。その頻度たるや、もはや体の一部といってもいいほどだ。



「単純に僕の生活にすごくリンクするサイズなんですよ。今はスマホが財布代わりみたいなものだし、AirPodsとフリスクも絶対に持ち歩きます。この3点セットがうまく収まるので、普段は打ち合わせに行くのにも、ランチへ出るのにもこれは必ず持ち歩きますね」。

さらに、ギミック好きを触発したパッカブル機能が、他のシチュエーションでも威力を発揮するという。




「出張などで海外へ行く際には、旅行カバンにこいつを潜ませて、現地でも外出する際によく使っています。サコッシュも考えましたが、やはりどうしても心許ない。紐を切られた終わりですからね。泥棒防止にも打ってつけなんです」。

パーマネントなモノの凄さと美しさ

そんなパタゴニアの魅力を、中田さんは2つのキーワードを挙げて語る。



「言ってみれば“パイオニア”。ジーンズだったらリーバイス、スウェットシャツだったらチャンピオン、アウトドアならパタゴニア。しかも、パタゴニアのアイテムって、アップデートはすれど、ずっと変わらない“パーマネント”なものじゃないですか。変わらないのに、時代を問わずそのプロダクトとしての美しさがどの世代からも許容される。これは本当にすごいことですよ」。

自らファッションアイテムをディレクションする立場だからこそ、その凄みが実感できるのだろう。



「アウトドアって、ハイテクを追求するものじゃないですか。ただ、やっぱり僕はビームス プラスで育ったので、クラシックアウトドアが僕のアイデンティティになっているんですよね。古き佳きモノの精神が染み付いていて、変わらない良いものにすごい憧れがある。

だから靴も、ハイテクは好きですけど、結果クラシックなものをずっと履いています。ヴァンズやコンバースなんて毎年買い替えてますから。だからこそ、パタゴニアに惹かれるんでしょうね」。

そのアイテムを着こなすうえでも、ちょっとしたこだわりがのぞく。



「アークテリクスのアパレルにパタゴニアを合わせるみたいなことはまずしないですね。だから、割とオーセンティックな服を着る時にパタゴニアを取り入れます。また、ちょっとした抜け感を加えるときにもいいですね。なので、今日はセットアップスーツ風の上下にパタゴニア。そこに程よく抜け感をプラスするイメージでこいつを合わせました」。


もしも『中田の100アイテム』なる企画や本を出すとしたら?

そんな問いに、「このウエストバッグは絶対に入るアイテムですね」と即答。一度使ってみれば、きっと誰しも納得できるだろう。今夏、外出のお供として選択肢のひとつに加えてみては?

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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