ヤナセクラシックカーセンターが復元したメルセデス・ベンツ(筆者撮影)
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。 90年以上もの歴史を誇るドイツの自動車ブランド「メルセデス・ベンツ」は、クラシックカーの愛好家が多いことでも知られている。
数々の名車を世に送り出してきたことはもちろん、元来耐久性が高く壊れにくい傾向にあり、また古い車種でもメーカーから純正部品がいまだに販売されていることで、レストアしやすいことも要因として挙げられる。
最近は、スポーツカーを中心に国産旧車も人気だが、車種によっては純正部品が手に入らず、レストアが非常に困難なことも多い現状とは対照的だ。
ところが、そんなメルセデス・ベンツでも年式や車種によっては、純正部品が生産終了になり、車のレストア作業が難しいモデルもあるという。
1985年に発売された初代Eクラス「W124」など、クラシックカーとしては比較的最近のモデルがそうだ。生産から20~30年経過したモデル群は、愛好家の間で「ヤングタイマー」と呼ばれ、近年中古車などの人気が上がっているという。
だが、例えば、樹脂製の前後バンパーが劣化などで割れていても、純正部品が手に入らず、レストアがしにくくなっているといった課題がある。
ヤナセクラシックカーセンターの取り組み
ヤナセクラシックカーセンターが出展していた1992年式のメルセデス・ベンツ190E。走行距離8万6000kmで車検2年付、価格は330万円となっていた(筆者撮影)
メルセデス・ベンツをはじめ、輸入車の国内販売などを手がける「ヤナセ」傘下の「ヤナセオートシステムズ」が運営し、輸入クラシックカーのレストア事業などを行う「ヤナセクラシックカーセンター」では、そうした純正品が手に入らないバンパーなどの樹脂製部品について、「窒素シールドプラスチック溶接機」という機械を使った溶接技術を用いることで部品の再生を行っている。
クラシックカーの展示会「オートモビル カウンシル 2022(2022年4月15~17日・幕張メッセ)」では、同技術を使った部品再生をブース内で披露し、大きな注目を浴びていた。
ここでは、ヤナセクラシックカーセンターの取り組みを紹介することで、輸入クラシックカーの今に焦点を当ててみる。
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