OCEANS

SHARE

始めて間もないサーファーの石野さんだが、実は10年前に既にサーフィンと出会っていた。

しかし当時は子育ての真っ只中。朝早くから海に出かけ、自分が波に乗る間に妻と幼い子供を待たせておくわけにはいかない。さらに飲食事業も立ち上げたばかりでとにかく忙しかったため、やりたい気持ちを抑えた。

「サーフィンは人生変えてしまいますからね。実際僕も、サーフィンをしていなければこの部屋も買っていなかったと思いますし。

何かを始めるとなると、何事も本気になってしまう性分なもので。だからその当時は、どっぷりやってはいけないと思い、あえて離れました」。

そして現在、3人の子供たちは立派に成長。この春、長男は大学を卒業し、次男は高校三年生に。三男はカナダの高校に留学予定だ。

子供が親離れし、仕事を軌道に乗せることができた石野さんは満を持してサーフィンと向き合った。そして充実した日々を送っている。

「海辺は時間の流れが全然違う。朝早く起きるから一日が長く、いろいろな楽しみがある。そこが大好きなんです。

休みになるといつも妻と『鴨川行こうよ』と相談し、みんな喜んでついてきてくれる。もともと調理人として仕事をしていたので、現地で買った魚を使い、家族のために料理に腕を振るうのも楽しいです。

そんな楽しみが生まれたのも朝のサーフィンがきっかけだったと思うと始めて良かったと思います」。

PAK OKSUN=写真 高橋 淳=文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。