偏愛スニーカー三番勝負とは…… カラバリ豊富で、リーズナブルなプライス、それでいて100年以上も変わらない姿。コンバースのオールスターは僕らの永遠の中の永遠である。
なかでも、“チャックテイラー”の愛称で親しまれるモデルはカルト的人気を誇る。
お笑い界にも、そんな名作に魅せられた大人がここに。
小宮浩信(こみやひろのぶ)●1983年生まれ、東京都出身。2005年にボケ担当の相田周二とともにお笑いコンビ・三四郎を結成。現在は、『有吉の壁』(日本テレビ)、『三四郎のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)などのテレビやラジオをはじめ、さまざまなメディアで活躍中。
【1足目】コンバース「チャックテイラー サックスブルー」
1917年にバスケットボール用シューズとして生み出されたコンバースのオールスター。
雪靴仕込みのグリップ力と屈強なバルカナイズドソールを搭載した一足は、程なくしてバスケットボール界のスター、チャールズ・H・テイラーの目に留まる。
彼はプロとしてキャリアをスタートしてから引退するまで、試合用シューズとしてこのオールスターを愛用したことで知られる。
そんな彼に敬意を表し、コンバース社はワンスターを描いたアンクルパッチにその名を刻んだ。それがチャックテイラーの始まりであり、シグネチャーモデルの元祖として今なお語り継がれている。
小宮さん自慢のチャックテイラーコレクションはヴィンテージから現行品まで多種多様。
小宮さんは、20歳の頃に友人と参加したフリーマーケットでチャックテイラーの存在を知る。
「たまたま持っていたコンバースを出品したんですけど、速攻で人が近づいてきて『4000円でいい? 5000円でもいいよ』と値段交渉してきたんですよ。それってもうオールスターのほぼ定価じゃないですか。
どうぞどうぞって感じですぐに売りましたけど、そのあと友達から『お前もったいないことしたな〜』って指摘されて。
おそらく買っていったのは古着屋のバイヤーさんだと言って、チャックテイラーの話をしてくれました。早く言えよ!って話ですよね。でもそこからですかね、チャックテイラーに興味を持っていろいろ調べていったのは」。
そこで、古着店などをまわりながら、ヴィンテージの相場やUSメイドの稀少性、年代の見分け方などをスタッフに聞いて、徐々に知識の幅を広げていく。
そんな“先生”たちの話の中には、国内未展開カラーに関する話題も。ゆえに、小宮さんは配色にことさら敏感である。象徴するのがこちら。
「10年ほど前に韓国でロケがあったんですね。そこでちょっとした空き時間を利用して、ショップを見てまわったんです。そのときに出合ったのがこの色ですね。
韓国は日本と違ってアメリカのモデルも仕入れているので、ロケなどで行った際には必ず覗くようにしています」。
逆に言えば、世界になくて日本にだけあるコンバースもあるってことだ。
「淡いカラーでもピンクやグレーは見た記憶はありますが、この色はなかなか。芸人仲間でもヴィンテージのチャックテイラーやCT70(’60〜’70年代のチャックテイラーを復刻したモデル)を好きな人は多いんですけど、彼らからも『あんまりない色だね』と言われます。
’70年代にもサックスブルーはありましたけど、これよりは濃かった気がするんですよね。なので、見つけたときは迷わず手を伸ばしました」。
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