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2022.04.02

ファッション

ランニングウェア「ヒアネス」の革新性。追求するのは機能性よりも“心地よさ”

ポップアップストアやランニングイベントの際に目印として使われるボード。取り壊された古民家の廃材を使って製作。

ポップアップストアやランニングイベントの際に目印として使われるボード。取り壊された古民家の廃材を使って製作。


オーシャンズ本誌2021年6月号の特集「休日スポカジ主義」でヒアネスを紹介したことがある。新進気鋭のランブランドとして、ごく小さなスペースで。

しかしながらその着心地の良さと完成度の高いデザインは驚きだった。スタートして間もないブランドだとはとても思えなかったのだ。

ここではそんなヒアネスをサステイナブルな視点で掘り下げる。

10年の時間を経てたどりついた着心地抜群のランニングウェア

 

サトウキビ由来のポリエステル素材を使用した「シュガーケイン ロングパンツ」。スマートフォンがぴったり収まるヒップポケットを装備。デイリーウェアとしても抜群の使いやすさを誇る。1万6500円/ヒアネス 0120-560-799


「私も代表の松田(正臣さん)も、アパレルを作ることに関しては本当に素人でした。実際に工場を見学して初めて、自分たちが着ているランニングウェアがどう作られているかを知ったんです」。

取材に応じてくれたMDの神谷颯人さんはそんなふうに回想する。学生時代は長距離ランナーであり(もちろん今も走っている)、以前はスポーツメーカーに勤務。

その後、スポーツライフスタイルを伝えるウェブメディア「mark」の制作に携わる。この「mark」で培った経験と知見が、ヒアネス誕生の直接的な要因である。

「メディアのコンテンツ制作を通じて、ランニングウェアはもちろん、アウトドア、自転車、ヨガなど、多くのブランドのさまざまなアクティブウェアに触れてきました。

そんななかで“自分たちが本当に欲しい、本当に着たいウェアとは何なのだろう?”という思いが高まっていったんです」。

 

[左]リサイクルポリエステルを使用した「フォーカスキャップ」は、被っていることを忘れるほどの軽さ。その重量はわずか26g。6600円 [右]マイボトルを携行しプラスチックごみを出さないこと。これも環境負荷軽減のために我々ができることのひとつ。保温・保冷性に定評のあるキントー社の「トラベルタンブラー」を、ブランドカラーであるコーラルオレンジで別注。3960円/ともにヒアネス 0120-560-799


「mark」のローンチは’11年(当時の名称は「onyourmark」)。実に10年の時間を経て得た結論はずばり「着心地の良い服」だった。

天然素材の肌触り。窮屈すぎないシルエット。周囲の風景に馴染む色。ある意味、現在の主流である機能性を競うランニングウェアの逆をいくものだ。

 

毛脚部分にニュージーランド産メリノウールを使用した「リアル・ウール・フリース」。マイクロプラスチックを出さないためには天然素材で作ればいい。そんな逆転の発想から生まれたフリースだ。3万3000円/ヒアネス 0120-560-799


「確かに機能性は重要ですが、着心地よりも優先されるべきではありません。そもそもランにしろワークアウトにしろ、気持ち良い、楽しいと感じなければ続かないんですよね」。

この言葉には心からの賛意を表したい。なぜならオーシャンズもまた、男性にとっての楽しい服とは何かを常に考え続けてきたメディアだから。

ランニングとファッション。たどった道筋はもちろん異なるものだが、到達した場所は同じ「気持ちの良い服」だったのである。


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