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どこまでも“Do Good”を信じて

 

[上]旅の衣類や化粧品の整理にぴったりのポーチ。H15×W29×D7.5cm 2200円、[左下]旅に持っていくなら歯ブラシなどのアメニティ入れとして、普段使いならペンや文房具ケースとして活用できる便利なポーチ。H24×W11×D9cm 3300円、[右下]財布やスマートフォンなどを入れるのにちょうどいいサイズの「バターン・ファニーパック」。ウエストバッグとして使うか小ぶりなアクティブショルダーとするかはお好みで。H13×W23×D10cm 4950円/すべてコトパクシ(アルコインターナショナル 06-6659-4126)


さてここでサステイナブルな視点ではなく、経済的な視点からコトパクシを眺めてみたい。’20年の売り上げは約35億円だった。昨年’21年は70億円に達した。そして今年’22年は、実に100億円を目指しているのだという。

この成長力こそ本国アメリカで大きな注目を浴びているもうひとつの理由である。サステイナブルであると同時に、企業として実にパワフルなのだ。

前出の小林さんいわく「デイビスをはじめとして、本国のスタッフは熱意に溢れた人が多い」とか。ハイクオリティなギアを通じて世界の貧困層の生活を向上させる。

そのミッションをクリアするための成長意欲が、すさまじいほどに強いのだという。

 

[左]近年積極的に取り組んでいるのがリペアサービス。服を長く着ることがサステイナブルにつながるのはご存じのとおり。 [右]ダウン製品に用いられているのは、健全な環境で育成され、負担のない方法で採取された水鳥の羽毛。


サステイナブルな取り組みと経済活動は、しばしば対立構造で語られるもの。また逆に共存共栄のロジックも多数あるが、往々にして知識先行型の印象が強く身体的な共感度が低いのである。

そんななかでコトパクシの理念はずっとシンプルで、骨太だ。“Do Good”を続ける自分たちの会社が大きくなればなるほど、世の中は良い方向に向かうはずだと信じている。

そしてそんな熱さにこそ、人は素直に惹きつけられるのだ。最後にデイビスさんも、その熱い想いを言葉にしてくれた。

「次世代のアイコニックなアウトドアブランドとなることが私たちの目標。今年はさらに多くの直営店を全米に展開し、世界中のアウトドアショップにコトパクシの製品を広げていこうと考えています。

すべての企業は、その資源と発言力を有効に用いてポジティブな変化を推進していくべき。それが世界を良くする力になるのです」。

Cotopaxi コトパクシ
創業年:2014年
創設者/CEO:デイビス・スミス
本社所在地:米ユタ州・ソルトレイクシティ
展開店舗数:世界800店以上(直営店以外含む)

Sustainable Keywords
・貧困問題解決のために収益の1%を寄付
・製品の94%を残布やリサイクル素材で製作
・サプライチェーンの監査と改善を徹底

(※1)ベネフィット・コーポレーション
アメリカの法人格のひとつで、株主ではなく公共の利益を優先させるのがその特徴。レポート提出や第三者機関による認証などの義務が課せられ、経営に高い透明性が求められる。

鈴木泰之=写真 加瀬友重=編集・文

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