春の足音が聞こえてきて、なんだか外に飛び出したくなってきた2021年3月。アメリカ発のハッピーなアウトドブランド「コトパクシ」が日本に上陸した。
不思議な名前を持つこのブランドについて少し、予習しておこう。
ファンキーな見た目に秘める、ナイスな理念
自然を愛するということは、地球環境保全にも関心を向けることに繋がる。
サーフィンをすれば海に漂うゴミを目の当たりにするし、ウィンタースポーツをすれば否が応でも地球温暖化を憂いてしまう。企業の社会的責任(CSR)が叫ばれて久しいけれど、自然と常に対峙するアウトドアメーカーの多くは常に、環境への責任に意識を持っている。
2013年に誕生したコトパクシは、CSR活動で有名なパタゴニアの対抗馬ともいうべき、次世代のアウトドアシーンを担うメーカーだ。
ビーコーポレーション(環境、社会に配慮した事業活動を行っており、 説明責任や透明性に関する厳しい基準を満たした企業に適用されるもの)として民間認証されていて、「DO GOOD」をスローガンにアウトドアブランドを展開している。
ラマの頭をかたどったロゴと、聞いたこともない“音感”からどこかコミカルな印象を受けるが、めちゃくちゃ企業理念はしっかりしている。そのうえでブランド名についてもう少し補足すると、その名前はパタゴニア同様に地名に関するもので、 アンデス先住民社会では神聖な山として尊重されるエクアドルにある「コトパクシ山」が由来だという。
展開は大まかにバッグとウェアとアクセサリー類で、どれも基本的に明るめの色が中心。発色の良いアイテムが多く、それでいてどこかレトロさを感じさせるデザインが魅力だ。
GEAR FOR GOOD=アウトドアギアを通じて社会貢献を
日本で展開するのは、オーガニックコットンのTシャツをはじめ、コトパクシの代名詞となっている「デルディア」シリーズのバッグと、「テカ」シリーズのアパレル類が中心。
これらは発展途上国の労働者の自立促進や環境を考慮したモノづくりをするという、同社の取り組みが最も色濃く感じられるアイテムだ。
特にクレイジーパターンが特徴の「デルディア」シリーズのバッグは、発展途上国のフェアトレード認定工場のスタッフが自分たちの感覚で好きに配色を決めたもので、基本的にはひとつとして同じ配色がない。
その理由は他社製品を作る過程で残った高品質な生地・素材に再度目的を持たせたリパーパス素材のテキスタイルを使っているからで、エコロジカルゆえに一点モノになっているのだ。
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