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2022.03.06

ファッション

「コトパクシ」創設者が商品に込める想い。次なるパタゴニアと呼ばれるワケを知る

アメリカで「ネクスト・パタゴニア」と呼ばれ俄然注目を浴びているブランドがある。それがコトパクシだ。
まずはその少々変わった名前の由来について、創設者のデイビス・スミスさんに話を伺った。

ラテンアメリカで過ごした青春時代につながるブランド名

[左]リサイクルポリエステルの表地は防水性と透湿性を兼備する高機能素材。レインジャケットとしても重宝する。2万6400円、[右]耐水性、耐風性に優れた軽量のウインドブレーカー。パッカブル仕様で旅の携行用にも打ってつけの一着だ。素材はポリエステルタフタの残布100%。1万3200円/ともにコトパクシ(アルコインターナショナル 06-6659-4126)


「エクアドルの首都、キトのすぐ近くにある活火山の名前なんです。子供の頃、私はいつもこの山を目にしていました」。

アメリカ人の父とカナダ人の母の間に生まれたデイビスさんは、幼少期から10代までの時間をエクアドルで過ごした。

当時通っていた学校の名前はアカデミア・コトパクシ。この山の周辺では何度もハイキングを楽しんだという。つまりコトパクシはデイビスさんにとって“心の山”なのだ。

「エクアドルで暮らし、私は冒険とアウトドアを愛するようになりました。またそれ以上に重要だったのは、他者への深い共感が芽生えたことです」。

 

[左]創設者のデイビス・スミスさん。 [右]「デルディア」コレクションのバッグは主にフィリピンの工場で製作。「縫製職人のルールは“同じバッグを作らないこと”」と創設者のデイビス・スミスさん。その日に用意できる(Re)Purpose素材を職人が自由に配色する。


デイビスさんいわく「自分の家庭は決して裕福ではなかった」が、周りの人たちよりは恵まれていると思ったという。

つまり周囲は極度の貧困に溢れていた。そして彼我の差は、単に生まれた場所の違いにすぎないのだとも感じていた。

後述するが、コトパクシというブランドの原点はこの私体験にある。その後デイビスさんはアメリカに移住し、大学を卒業したのち起業家となる。だが、すぐにコトパクシを立ち上げたわけではない。

 

[左]リサイクルポリエステル100%のフリース。前立てや胸元の切り替え部分には残布を使用する。1万5400円、[右]街でもアウトドアでも軽快に使えるワンショルダーバッグ。H46×W25×D13cm 1万3200円/ともにコトパクシ(アルコインターナショナル 06-6659-4126)


「実は大学時代、あるメンターとの出会いがありました。彼は起業家を経て慈善活動家へ転身し、フィリピンの貧困と闘っていました。

当時私は彼の非営利団体で働き、自分が育ったラテンアメリカでその活動を広げたいと考えていたんです」。

しかしそのメンターは「世界を変えたいならまずは起業家になるべき」とアドバイス。10年、20年先に、世界を変える自分なりの方法が見つかるはずだとデイビスさんに伝えた。

その教えどおり、デイビスさんはいくつかのeコマースビジネスに着手し事業を成功に導く。

そしておよそ10年の時を経て、自分の大好きな冒険と貧困問題の解決を融合したビジネスモデルをつくり上げた。そのビジネスに、ラテンアメリカで暮らした青春時代につながるコトパクシという名前を付けたのである。


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