OCEANS

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良い話である。ジーンとしつつ、前出の「シルク」を注文。こちらは、ジンジャーの主張がさらに強い。

シルク ヨコスカベーカリーのソフトフランスパンをお裾分けしてくれた。


看板ママの広子さんが言う。

「耳の手術で入院したときに恵美が病院の待合室で言うんです。『ママ、耳が聞こえないんでしょ? 会社には私の代わりはいくらでもいるけど、ここを手伝えるのは私しかいないから』って」

恵美さんがこう返す。

「新部署に異動する話もあったけどお店を取りました。小さい頃は喘息がひどくて何度も死にかけたから、今はオマケの人生だと思ってるの」

母娘 息の合った母娘の掛け合いトークが続く。


ここでカウンターの客が壁のカレンダーに目をやる。ママいわく、「常連さんの誕生日をメモしてるの。空いてたら書いてもいいわよ」。

誕生日シート 創業56年の歴史を感じる。


「俺、1月29日だからお言葉に甘えて書いちゃお。初来店なのに優しいね」

誕生日シート ちなみに恵美さんは7月8日、ママは8月15日。


横須賀の人情を満喫したところでお会計をしよう。記念にカクテルの味を再現した「横須賀ブラジャードロップス」を購入した。

ママ 横須賀土産の定番として人気上昇中。


恵美さん、最後に読者へのメッセージをお願いします。

メッセージ 筆圧の弱さにやさしい人柄を感じる。


 

【取材協力】
サタン
住所:神奈川県横須賀市若松町3-13
電話:046-825-9068

連載「看板娘という名の愉悦」を読む

石原たきび=取材・文

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