
力強さと上質さを兼ね備えたキャデラック「エスカレード」の存在感、竹と和紙が織りなすイサム・ノグチの「AKARI」の光。テクノロジーとデザイン、伝統と革新が交差するこの2つのプロダクトは、単なる贅沢ではなく、暮らしを豊かにする“アメリカンラグジュアリー”の精神を教えてくれる。
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「エスカレード」全長5400×全幅2065×全高1930㎜ 1890万円〜/キャデラック 0120‐711‐276
キャデラックを抜きに、アメリカ車のラグジュアリーを語るわけにはいかない。創業は1902年。120年を超えるその歴史は、富める国アメリカの自動車史そのものだからだ。11年、世界初となる電気式セルフスターターを開発。その後、量産車初のV8エンジン、ATミッションといった当時の革新的技術を積極的に取り入れた。
またパワーステアリング、エアサスペンション、パワーウインドウ、エアコンといった快適装備も、キャデラックはいち早く50年代から導入している。2026年シーズンからF1に参入することが物語るように、そのテクノロジーへの挑戦心は今なお現在進行形だ。

一方、革新的なのは外装も然り。自動車業界初の曲面ガラスや、ジェット機時代を象徴するテールフィンといったリッチなデザインを次々と発表。フロントグリルと一体化した巨大なクロームメッキバンパーは、今回紹介したフルサイズSUV「エスカレード」にも受け継がれている。
また、伝統の6.2ℓV8エンジンを採用し、力強いパフォーマンスと優れたハンドリングを兼備。インテリアも極上だ。通気孔付きの快適かつ上質なレザーシート、天然木やカーボンの繊細なトリムアクセント。本物の素材を惜しみなく使用した贅沢な室内空間もまた、120年を超えるキャデラックの伝統なのだ。
イサム・ノグチ
©︎鷲見栄児 1万8700円〜/オゼキ 東京営業所 03-3667-3931
日本で生まれた文化に、海外の視点が交わることで、新たな輪郭が浮かび上がることがある。イサム・ノグチの「AKARI」は、その象徴的な例だ。 1951年、アメリカを拠点に活動していたノグチが岐阜県を訪れ、岐阜提灯の職人技に出合う。竹の骨組み、和紙を透過する光、折り畳めるという機能美。
彼はそこに構造的な美を見いだし、以後51年から晩年にいたるまで、約200種類の「AKARI」を生み出したのである。竹ひごと和紙という日本の伝統的な素材と、岐阜提灯の手仕事に敬意を払いつつ、ノグチ独自の彫刻的フォルムとモダンな感覚を融合。このプロダクトを、ノグチは「住空間に持ち込むことができる光の彫刻」と考えていたという。
発売から75年を経た今も、そのみずみずしさと温かみが多くのファンを惹きつけている。“日本文化を再編集”することで誕生した 「AKARI」は、アメリカン・ラグジュアリーのひとつのカタチとして、今も空間に息づいているのだ。
OCEANS4月「Shopping Manual」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!