春らしい風が吹きはじめた頃。食いしん坊のオーシャンズ読者の皆さんが集まったのは、港区高輪のキッチンスタジオ。イベント開始前から、会場には香ばしい肉と小麦の匂いが立ち込めていた。
9回目を迎えた、オッサンの新しい趣味を提案する「オーシャンズとレジャーの会」。今回のテーマは「肉汁たっぷり!アメリカンハンバーガーを作ろう」だ。日本のバーガー界を牽引してきたザ・グレートバーガーのオーナー・車田篤さんよる、美味すぎるハンバーガー作り講座である。
「家で再現できるように、ホットプレートとフライパンで美味しくできる方法を教えますね。今回作るのは、ベーコンチーズバーガーとアボカドバーガーの2種類。調理をはじめると5分もかからないんですが、ハンバーガーを食べながら、色々と皆さんとお話できればと思います」(車田さん、以下同)。
早速、エプロンをつけてキッチン前に集合! まずは材料の解説がはじまった。
「レタスは、サニーレタスではなく、歯ごたえがある普通のもの。トマトは出来るだけ大きいものを選ぶと見栄えが良くなるし、食べやすくなります。レタスとトマトを重ねて折り曲げたものを、うちの店では“バーガーセット”って呼んでます。BBQなどではあらかじめ家で作っておくと便利ですよ」。
「続いて、レディッシュ。ピクルスと玉ねぎをミックスしたものです。割合は3:1で、オニオンチョッパーを持っているとみじん切りがすごく楽になります。いろんな種類があるので、料理をする人はチェックして損はないですよ」。
軽快なトークで会場も温まり、参加者からキッチン越しにこんな質問も。「玉ねぎは水に晒したりしなくていいんですか?」。「薬味だから、辛みは取らなくていいんです。柔らかくならないので、いいアクセントになるんですよ」と車田さん。
そして、注目のパティの講義へ。
「パティとハンバーグって、何が違うかわかります? ハンバーグは卵や小麦粉などのつなぎが入っているけど、パティにはそれがない。牛肉100%の肉の塊。ステーキ肉と牛脂をバラバラにして固めたものなんです。それに調味料も一切入っていません。パティは牛モモ肉と牛脂を小さくカットして成形します」。
意外な真実に会場は興味津々。ここでも質問が殺到。「肉と牛脂の割合は?」「なんでモモ肉なんですか?」「自宅で作れるんですか?」。
「割合は、肉:牛脂=7〜8:2〜3。モモ肉にするのは、適度に脂が入っているから。肉にストレスがかかってパサつきやすくなるので、コネないのがポイント。包丁で切って叩く! 丸く成形するためには、ラップを引いて挟み、底が平らな鍋やボールで潰してください」。
目から鱗の情報が次々と飛び出し、参加者の皆さんのテンションは上昇。ここから車田さんによる2種類のバーガー調理の実演が始まった。
「バーガーセットやベーコン、アボカドを切って用意したら、まずはパティを焼きます。中火で片面を1分くらい。ここで塩・コショウは多めにふります。それと同時にホットプレートでバンズも焼く。すべて焼きあがったら、パーツを組み合わせて完成です!」。
材料を組み上げて……
完成! 四方に垂れたチーズがたまらない!
鼻腔をくすぐる匂い、ジュージューと小気味良く響く肉の音……これは美味いに決まってる! バーガーが組み上がった瞬間、口々に発する「ハラヘッター!」という声とともに拍手喝采。会場のテンションは最高潮に!! いよいよ、待ちきれない実践に突入だ。
華麗な包丁捌きを披露したり、たどたどしい手つきだったり、参加者の調理レベルはまちまちだが、まな板とフライパンを前に、みんな揃って笑みがこぼれる。
車田さんの熱心な檄も飛ぶ。「塩・胡椒がちょっと少ない!」「煙が立ちすぎ。フライパンが熱くなりすぎてますね」「あ、やっぱりちょっと塩多いかも(笑)」。
笑い声が交じる和気藹々とした雰囲気のなか、ついにバーガーが完成した!
顔の3分の1ほどもあるバーガーにかじり付き、ここでもまた笑顔がこぼれた。初めて会った参加者たちもすっかり打ち解け、「あと3個くらい食えそう」「コレ作れたらドヤれますね(笑)」「まずはオニオンチョッパー買うところからスタートですかね」なんて、バーガートークに華が咲く。
ひと段落したところで、バーガーを食べながら、車田さんへの質問タイム。「パティは寝かせたほうが美味しくなるんですか?」「牛脂はどんなものを使えばいいんですか? 良いものをもらうためには?」といったものから、「一番好きなバーガーは?」「どこのバーガー店が好きなんですか?」なんてプライベートな質問まで飛び出した。車田さんの答えに会場が一層華やいで、みなさん大満足のなかイベントは終了。
美味いバーガー、そして楽しい雰囲気を堪能できたご様子。最後にザ・グレートバーガー特製のバンズを持ってお帰りとなった。「あふれる肉汁、食材のマッチングが最高! バンズの香りも最高。家でぜひ試してみたいですね」とは参加者のおひとり談。
美味すぎるバーガーを堪能したうえ、これからの時期に最高なBBQで使えるワザを習得できた、今回のイベント。キャンプに持ち込んで、週末を充実させてみようか……そんな遊びのヒントが得られる場になったのではないだろうか。