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とっておきのパテック フィリップ×ティファニーのWネーム

最後を飾るのはパテック フィリップの代表作であり、究極のドレスウォッチと評価される名品カラトラバ。
愛好家の間で“クンロク”と呼ばれる1932年に誕生したRef.96は、カラトラバ始まりの1本である。
「Ref.96はコンスタントに人気があるため、仮にいい個体が見つかったとしても馴染みのお客さんを優先してしまうから、なかなか購入する機会に恵まれませんでした」。
青木さんが2年ほど前に入手した1本は、稀少な1950年代のティファニーとのWネームだ。
12時位置には、象嵌プリントに記された両社のブランドネームが入る。
「当時のティファニーはものすごく勢いがあって、文字盤にブランドネームをプリントした時計を販売していました。パテック フィリップのRef.96もそのひとつです」。
抜群のコンディションを維持した文字盤には、両社のブランドネームのほか、極太のドルフィン針、バーインデックス、6時位置のスモールセコンドなどが上品に配されている。
「Ref.96はケース径30mmほどの小さな時計ですが、数字以上に大きく感じられる理由は、フラットなベゼルやラグの形状、18mmの太めのベルト幅にあります。
とりわけ1950年代頃は文字盤のレイアウトが素晴らしくて、“あらゆる腕時計の模範”ともいうべきポイントが詰まっています」。

バウハウスの思想から生まれたカラトラバスタイルの真髄は、時代を超越したデザインにある。
「僕のなかでは、ティファニーとのWネームであること以上に、Ref.96らしい1本を手に入れることを優先していました。これから年を重ねるにつれて、活躍の場が増えていくと思います」。
三者三様の魅力が感じられる大定番時計は、いずれも青木さんのウォッチライフを充実させる相棒にほかならない。
「腕“時”慢」とは……
腕時計好きが愛用する自慢の1本。なんで好きなの? いつ着けるの? 出会いはいつ? あなたの腕“時”慢なモノ語り、お願いします。
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鳥居健次郎=写真 戸叶庸之=取材・文


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