Day 8 FRI.
持つべきものは親友。柔軟な発想からヒントを得て、農業にシフト!?
『明日、空いてる? 波いいっぽいよ』。昨晩着信したLINEは、親友のジュンヤからだ。マーシーの返事は、もちろん「OK」。お気に入りの三国志スタンプを添えたい気持ちもあったが、ここは平静を装って文字だけで返した。
ジュンヤは、長男の保育園時代に知り合ったパパ友だ。ウェブコンテンツや広告デザインを中心に、自らベンチャーを立ち上げたやり手。普段はとぼけたいいやつなのだが、いざというときに親身になってくれる。年下のわりに面倒見が良く、ビストロ開店のときもロゴ作りやホームページの制作など、何かと世話を焼いてくれた。四十を過ぎても友人はできるんだな。
そして寒空の早朝、海に出た。アウターのダブルフェイス素材が肌に心地良く、いつものデニムにもちょっとしたアクセントとなってくれる。波をキャッチする間はもちろん無言。ラウンドを終えると、2年前にサーファーのパパ友たちと行ったサーフトリップの話でひとしきり盛り上がった。
いよいよマーシーが切り出す。「店、閉めたんだ。いろいろ手伝ってもらったのに、ごめん!」「全然、気にしないで。むしろお疲れさま」。既にジュンヤは知っていたようだ。
「お店やめたら、畑どうするの?」「好きだから続けているよ。むしろやめられない」「じゃあ、畑の作物売ってみたら? あれが食べられなくなるの、残念だし」。
そんな発想はどこにもなかった! それでも「好きが仕事になる」じゃん。持つべきものは友だ。ありがとう、ジュンヤ。
着回しアイテム【3】「マディソンブルー」のジャケットスーパー100sのラムズウールを両面起毛させたダブルフェイス素材が心地良いハンティングブルゾン。ウエスタンヨークを模した個性的な両胸ポケットが赤×黒チェックに映える。16万8000円/マディソンブルー 03-6434-9133
【14】「リーバイス ビンテージ クロージング」のデニムライトインディゴが海男的な、’80年代初頭のリーバイス501復刻版。ノンセルビッジモデルの先駆け。2万8000円/リーバイス ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)
遠藤優貴(MOUSTACHE)=写真(人物) 清水健吾=写真(静物) 菊池陽之介、中里真理子=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク 髙村将司=文 大関祐詞=編集・文 UTUWA/AWABEES、3D クロージング ストア=撮影協力