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2018.12.22

たべる

海、バイク、ナチュラルワイン。サーフ映画に見る理想のライフスタイル

人のモノサシではなく、自分たちの価値観で、よりリアルに、格好よく。ファッションにおける「ストリート」の根幹にあるこんなマインドが、何かと小難しい(気がする)ワインの世界でも拡大中。それがナチュラルワインである。
しがらみ不要、無用なルールは御免蒙る。とびきり美味い一杯を追求するストリートマインド全開なナチュラルワインは、オーシャンズ世代にこそ相応しい!
(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
2014年に公開された映画『ベラ・ヴィータ』をご存知だろうか?
日本ではあまり知名度は高くないが、イタリアを舞台とした珍しいサーフィンドキュメンタリー映画として注目を集めた。トスカーナの波に乗る人々の姿は景色と相まって美しく、彼らが囲むテーブル上には、常に瑞々しいワインが置かれている。
(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
アメリカンカルチャーが大好きな37.5歳にしてみれば「波乗り後はビールで乾杯!」と相場は決まっているが、イタリア目線でその関係を描くなら「サーフィン×ワイン」となるらしい。この映画もまた、「ストリート感覚でナチュラルワイン」を楽しむ大人たちの良き参考になりそうなのだ。
 

海好きにはたまらない! 地中海の優雅なサーフィンライフ

(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
イタリアの血を引くアメリカ人プロサーファー、クリス・デルモロ。彼はパタゴニアのグラフィックデザインなどを手掛けるアーティストでもあり、熱心な環境保全活動家でもある。映画『ベラ・ヴィータ』は、そんな彼が自身のルーツであるイタリアを訪れ、その伝統や文化を巡る自分探しの旅を追ったもの。
監督はそんなクリスの友人であり、カリフォルニアのサーフカルチャーの魅力を伝えた映画『ワン カリフォルニア デイ』でもメガホンをとった映像作家、ジェイソン・バッファだ。
(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
地中海に立つ波などランドスケープの美しさと、そこで優雅に波乗りをする姿には否応なく心を奪われるが、目を引くのはサーフシーンだけではない。のどかな風景のなかで最愛の家族や仲間たちとテーブルを囲み、ワインを笑顔で分かち合うワンシーンがとても眩しく、印象的なのだ。

ナチュラリストが映画のなかで造り上げたワイン「ジオ・バッファ」

(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
イタリアのテーブルにワインは欠かせない。食前酒であり、食中酒であり、食後酒にもなる。
ワインはイタリアの伝統であり、文化である。クリスやバッファもこの旅を経てそれを再認識し、人と人の心を結ぶ普遍的な“アイテム”でもあることを実感してゆく。そして「ワインは自分の好きなときに、好きな仲間と、好きなように楽しむものであってほしい」と願い、自らもワイン造りに乗り出すのだ。
クリスたちの手によって生まれたビオロジコ(有機)ワイン、それが「ジオ・バッファ」である。
環境保全活動家でナチュラリストのクリスが自然派であることに強くこだわった「ジオ・バッファ」。エチケットのデザインもクリス自らが手がけた。
「ジオ・バッファ」はイタリア在住のクリスたちのサーフィン仲間が所有する、オーガニック認証を受けた畑のブドウを使用。ベリーやブラックチェリーの果実味、スミレのような香りとやわらかなタンニンが特徴的な「ジオ・バッファ」は日本でも購入可能だ。
(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
映画内で「ジオ・バッファ」が完成に至るわけではないが、ブドウを手摘みし、畑でテーブルを囲んでワインを飲む、そんなクリスたちの活き活きとした姿がフィルムには収められている。
(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
賑やかな面々、絶えない笑顔、ラフなファッションに飾り気のないグラス……そこには何のしがらみもルールもない。あるのは、我々がワインに求めている「ストリートマインド」だ。
基本的にはサーフムービーであって、ワイン映画ではない。が、『ベラ・ヴィータ』を観ることでナチュラルなワインへの造詣も深まるに違いない。きっと、我々のストリートなワインライフをより豊かにしてくれるはずだ。
 

『ベラ・ヴィータ』

発売元:レイドバック・コーポレーション
販売元:ポニーキャニオン
価格:DVD 3800円
(C)2014 BELLA VITA MOVIE, LLC
本橋章太朗=文


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