高級時計はもちろん素敵だけれど……。休日をアクティブに過ごす大人が増えてきた昨今、“それ”用のアイテムも一本は持っておきたい。そこで、ちょうどいいアイテムがタイメックスとニクソンから発表されたので紹介する。
軍用時計の生産も担った前者、スポーツシーンで絶大な支持を得る後者と、どちらも機能面においては実績十分。何より、背景に潜む逸話がまたブツ欲をそそるじゃないの。
「タイメックス」の腕時計
タイメックスから海男のための腕時計が60年ぶりに復刻した。その名は「マーリン」。マカジキのことである。
同作は、タイメックスが1950年代半ばに発表した、防水・防塵・耐衝撃性を備えたタフウォッチだ。発売時のTVCMは、モーターボートのスクリューにこの時計を取り付け、そのままボートを海に走らせるというもの。でもこの「マーリン」はきちんと動いていた! というオチだった。
こちらは、当時と同じ手巻きキャリバーを採用しつつ、堅牢性を高めたSSケースとリザード型押しのストラップに変更。ミッドセンチュリーの趣あるスタイリッシュなデザインは、海男の正装、ブレザーの手元に最高に似合うはず。
「ニクソン」の腕時計
詳しい人ならピンとくる。手のひらから舌が飛び出した「スクリーミング・ハンド」でスケーターの心を鷲掴みにした、ジム・フィリップスの描いたイラストだ。
彼がアートディレクターを務めるデッキメーカー、サンタクルーズと、ニクソンによるこのコラボウォッチ。レジェンドスケーター、ジェイソン・ジェシーのアイコン「レディ・オブ・グアダルーペ」を配した写真のモデルを含む、全4モデルは完売必至だ。
ドンズバ世代だけにキッズたちには譲れない気持ちもある。が、もうサンタさんが来ないオッサンは、サンタになって子供に贈るのもアリか。腕時計と横ノリの英才教育として。
気楽に過ごしたい休日は、気楽につけられる腕時計がいい。しかも、自身のバックボーンとより密接な関係にある一本なら、愛着もより増すってもんだ。
鈴木泰之=写真 鈴木淳子=スタイリング