海を守るサステナ腕時計。デザインもアクションも格好いい5本+α
SDGsをはじめとするサステイナブルへの配慮はもはや腕時計にも欠かすことはできない。
時を刻むプロダクトだからこそ、未来を築くシンボルとなるのだ。
未曾有の危機を未来へと活かすミッションをサポート

BLANCPAIN
ブランパン/オーシャン コミットメント フィフティ ファゾムス III
世界的パンデミックを将来に活かすため、海洋生物学者のローラン・バレスタ氏ら研究機関は、ロックダウンした地中海沿岸での海洋生物多様性を観察し、前後のデータを比較する。この活動をサポートするのが“ブランパン オーシャン コミットメント”だ。
限定第3弾は40mm径にブルーダイヤルとロゴをあしらい、一本の販売につき1000ユーロが寄付される。支援は既に成果となり、手にした時計にも貢献が実感できるのだ。
美しい日本の海をいつまでも守る誓いをブルーに込めて

TAG HEUER
タグ・ホイヤー/アクアレーサー 奄美大島スペシャルエディション
2015年以降、タグ・ホイヤーは日本の海に注目し、小笠原諸島や石垣島をテーマにした限定モデルを発表。その売り上げの一部を地域や環境保全活動に寄付してきた。その第3弾になる奄美大島バージョンは、1982年の誕生から熟成進化を続けるロングセラーダイバーズに島のシルエットをあしらう。
この時計の売り上げの一部はWWFジャパンによる南西諸島の環境保全活動に役立てられ、美しい海への思いを後世に伝える。
海洋プラスチック廃棄物から生まれたラグジュアリー

TOM FORD
トム フォード/N.002 オーシャン プラスチック
サステイナブルとラグジュアリーは相反するものではない。トム・フォード氏は「倫理的な贅沢はすべての中で最高の贅沢」と語る。
手掛けた時計は、年間推定800万t以上といわれる海洋プラスチック廃棄物をケースや手織りの編み込みストラップ、さらにはパッケージに用いる。加えて原料の顆粒輸送はカーボンニュートラル、製造にも太陽エネルギーが使われる。たとえ小さな時計でも環境保全の意思を伝えることはできる。
“環境への配慮”をテーマにしたブランドの新たなアプローチ

BAUME & MERCIER
ボーム&メルシエ/ボーム オーシャン限定モデル
エコやアップサイクルをコンセプトにする「ボーム」コレクション。都会的なデザインに、海洋廃棄問題への活動を続けるWaste Free Oceans(WFO)やSEAQUAL INITIATIVEとコラボし、海洋投棄の再生プラスチック製ケース&100%リサイクルプラスチック製ストラップを採用する。
またコレクション全体の売り上げ2%に加え、限定モデルの売り上げ5%を両団体に寄付。その数字も5大海洋にちなんでいる。
絶滅種ブラックマンタの勇姿に思いを馳せて

CARL F. BUCHERER
カール F. ブヘラ/パトラビ スキューバテック ブラック マンタ
絶滅の危機に瀕する生物の保護も生態系のサステイナブルには欠かせない。マンタの中でも遺伝子変異で誕生したブラックマンタは生態に謎が多く、保護も難しい。
その神秘的な存在にオマージュを捧げ、ダイヤルに古い潜水具を思わせるブラウンカラーでシルエットを記すとともに、ラバーストラップの一部には再生ペットボトルから作られたファブリックを使用する。さらにその素材の運搬にも環境負荷をかけぬよう配慮しているのだ。
淡水資源も未来につなげるために

ORIS
オリス/レイクバイカル リミテッドエディション
2500万年前から存在するバイカル湖は、世界最深の1642mを誇り、地球上の淡水湖水量の20%を保有するといわれる。だが今、産業活動による汚染の危機にさらされている。
「ポイント1」は1945年から環境調査を続けるバイカル湖保全プロジェクトであり、限定モデルはブルーのグラデーションダイヤルに湖面を映す。その売り上げの一部を寄付することで、75年以上続く調査活動を未来へとつなげる一助となるのだ。
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール
柴田 充=文