豊作、復刻時計 Vol.9
2020.07.03
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オーデマ ピゲの新プロジェクトが好発進。一発目は1943年モノがネタモトだ

「豊作、復刻時計」とは……

稀少なヴィンテージが現代に蘇る。オーデマ ピゲの新プロジェクトが好発進!

「伝統は革新の連続である」。この言葉を地で行くオーデマ ピゲは、1875年の創業以来、常識に揺さぶりをかける独創的な時計を手掛けることで時代を切り開いてきた。

オーデマ ピゲの革新といえば、“ラグジュアリースポーツウォッチ”というジャンルを打ち立てた「ロイヤル オーク」の逸話があまりにも有名だが、その歴史を紐解くと、1892年に世界初の腕時計式ミニッツリピーターの発表で世界的な名声を得たことからも、一世紀以上前から複雑機構の分野で大きな成功を収めていたことが見えてくる。

オーデマ ピゲの新たな試み「リマスタリング プロジェクト」は、稀少なヴィンテージクロノグラフとの出合いから始まった。

1943年に製作されたオーデマピゲのクロノグラフRef.1533。
1943年に製作されたオーデマ ピゲのクロノグラフRef.1533。
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時を経て、幻のクロノグラフが現代に蘇る

ロイヤル オークのイメージからすると「これがオーデマ ピゲ?」と思ってしまう、知る人ぞ知る限定モデルをご存知だろうか?

リマスタリング プロジェクトとして登場した「リマスター 01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」は、1943年製のクロノグラフRef.1533からインスピレーションを得て製作された。

「リマスター01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」/オーデマ ピゲ
「リマスター01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」SS×18KPGケース、40mm径、自動巻き、世界限定500本。555万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000)

驚くことにオーデマ ピゲは、1951年まで量産を一切行わず、特別な顧客のためのユニークピース(1点モノ時計)を製造していた歴史を持つ。クロノグラフに関しては、1930~1950年代にかけて307本のみ製作していたことが記録されている。

オーデマ ピゲのコンプリケーション部門の責任者いわく、新たに掲げたリマスタリング プロジェクトの目的は、例えるならアナログ時代の音源をデジタルの技術で複製するかのように、オーデマ ピゲが所有する貴重なアーカイブを最新の技術によって現代に蘇らせることにあるという。

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ヴィンテージ×最新技術の完璧なる融合

いよいよ、本題に入る。復刻時計に対する解釈はブランドによって見解が分かれるところだが、「リマスター01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」が異彩を放つ理由は、現代的なバランス感覚を忘れずに、Ref.1533が持つコンビカラーなどの洗練されたデザインコードを継承している点にある。

ステンレス×ピンクゴールドの組み合わせはエレガントで落ち着きがある。カーフスキンストラップのほか、ブラウンのアリゲーターストラップを付属する。

視認性の向上を目的にクロノグラフカウンターを改良した文字盤、ティアドロップ型のラグ、18Kピンクゴールドのベゼルとリュウズ、プッシュボタンなどが、それに該当する。

45分まで計測できる9時位置の積算計をはじめ、文字盤には細かな改良が加わっている。

手巻き式のクロノグラフであったオリジナルとのいちばんの違いは、全体を4mmほど拡大したケースデザインと、1943年当時では実現不可能だった自動巻きムーブメントの採用にある。

ケースバックから鑑賞できる22Kピンクゴールドのローターは、マスタリングの証だと言える。

クル・ド・パリ装飾を施したピンクゴールドのローターを採用した自動巻きムーブメントCal.4409。

ブティック限定555本という稀少性もまた魅力。次回作も俄然気になる注目のプロジェクトの始まりは、世界中の時計好きにとって福音以外の何物でもない。

 

[問い合わせ]
オーデマ ピゲ ジャパン
03-6830-0000
www.audemarspiguet.com

「豊作、復刻時計」とは……
2020年は、さまざまなブランドから復刻時計が大豊作。我々が生まれる前に作られたヘリテージモデルから、懐かしい’90年代のあのモデルまで、見た目も気分も昔に巻き戻してくれそうな良質復刻時計をご紹介。
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戸叶庸之=文

# オーデマ ピゲ# 腕時計
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