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2019.12.27

時計

ルイ・ヴィトン「エスカル」を語り尽くす!すべては時を楽しむために

時器放談●マスターピースとされる名作時計の数々。そこから6本を厳選し、そのスゴさを腕時計界の2人の論客、広田雅将と安藤夏樹が言いたい放題、言葉で分解する。「ラグジュアリーブランド編」となる今回の2本目は、ルイ・ヴィトンの「エスカル」。
安藤 今回はルイ・ヴィトンの腕時計について語り合いたいと思います。と、その前に、広田さんのその財布、ルイ・ヴィトンじゃないですか。確か前にカバンもお使いでしたよね?
広田 はい。「イカール」という一泊旅行に使えるサイズのを愛用しています。
安藤 立派なルイ・ヴィトンラバーですね。
広田 シガレットケースもすっごくいいんですよ。なぜだかすぐになくしちゃうんですけど。
安藤夏樹(写真左)●1975年、愛知県生まれ。ラグジュアリーマガジンの編集長を経て、現在はフリーに。「SIHH」や「バーゼルワールド」を毎年取材し、常に自分の買うべき時計を探す。口癖は「散財王に俺はなる!」。
安藤 酔って女性にプレゼントしちゃうんじゃなくって?(笑)
広田 いや、ほんとになくしたんです(汗)
安藤 その話は夜に酒でも呑みながらうかがうとして……ルイ・ヴィトンの時計にはどんな印象をお持ちですか?
広田 現在の時計に対しての評価は高いです。正直な話、「タンブール」が最初に出たころは、ケースの磨きも甘かったし、針も色がミュッとはみ出たりしていたんですけど、さすがにクラフツマンシップのある会社だけあって、すぐに改善されたんですよね。ハリー・ウィンストンで時計部門のトップだったハムディ・シャティが来たあたりから、ケースとか文字盤の出来がめちゃくちゃ良くなった。
広田雅将 ●1974年、大阪府生まれ。腕時計専門誌「クロノス」編集長。腕時計ブランドや専門店で講演会なども行う業界のご意見番である。その知識の豊富さから、付いたあだ名は「ハカセ」。
安藤 ルイ・ヴィトンというと、デザイン先行の時計と思う人も多いですけど、実際のところは機械もハイレベルですよね。ちょうど10年前の2009年に発表された「スピン・タイム」なんかは、高い技術があってこそ誕生した時計。インデックス部分が12個のキューブになっていて、それがひとつずつ回転することで「時」を表すという複雑機構で話題になりました。当時は「時計専業ブランドじゃなくてもこんな時計が作れるんだ!」とびっくりしましたが、今はもう定番のひとつですよね。
12個の回転するキューブを用いて「時」を表示する「タンブール オトマティック スピン・タイム エアー グレー」。/ルイ・ヴィトン
12個の回転するキューブを用いて「時」を表示する「タンブール オトマティック スピン・タイム エアー グレー」。K18WGケース、42.5mm径、自動巻き。603万6364円[参考価格]/ルイ・ヴィトン 0120-00-1854

 
広田 確かにそうですね。


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