ペア使いで2人の絆を確かめ合う。言葉にすると照れ臭いものがあるが、実際、「服は難しくても時計なら」というニーズも増えているそう。なるほど、“共感”がさりげなくカタチになるペア使いは、やってみると悪くない。何かの記念に贈り贈られしてみては。
左●HERMÈS エルメス
男性用●ケープコッド TGM
女性用●ケープコッド PM
海の香りを纏い、エレガンスを湛えるタイムピース
アメリカは東海岸の岬の名を冠した「ケープコッド」は、1991年に発表されたエルメスの代表作。錨の鎖をモチーフとしたメゾンを代表する傑作ジュエリー「シェーヌ・ダンクル」から着想を得て、アンリ・ドリニーがデザインしたものだ。
ラグと無理なく一体化させたケースに正方形のダイヤルを収め、インデックスに採用した軽やかでセンスの良いフォントが特徴。男性にはサンレイとギョーシェを組み合わせたグレーダイヤルが精悍なモデルを。女性にはドゥブルトゥール(=2重巻き)のアリゲーターストラップがエレガントなミニモデルを。男性用●SSケース、縦33×横33mm、自動巻き。60万5000円、女性用●SSケース、縦23×横23mm、クオーツ。34万2000円/ともにエルメスジャポン 03-3569-3300
右●CARTIER カルティエ
男性用●タンク ルイ カルティエ LM
女性用●タンク ルイ カルティエ SM
普遍的な魅力を持つ名作で固く結ばれる絆
その名が示すとおり、タンク=戦車に着想を得たスクエアケースで工業化の幕開けとなった20世紀の訪れを表現した不朽の名作。直線と曲線を組み合わせたアール・デコ調のスタイルは、アンディ・ウォーホルやイヴ・サンローランといった多くのクリエイターを刺激し、タンク愛用者を表す“タンキスト”という言葉まで生まれた。
凛々しさとしなやかさが同居した、オリジナルに近いデザインの本作「タンク ルイ カルティエ」は、サイズ展開の多さも魅力でペア使いに最適。ともに新型の手巻きキャリバー8971MCを搭載する。男性用●K18PGケース、縦33.7×横25.5mm、手巻き。135万円、女性用●K18PGケース、縦29.5×横22mm、手巻き。108万円/ともにカルティエ 0120-301-757
TIFFANY & CO. ティファニー
男性用●ティファニー イースト ウエスト オートマティック
女性用●ティファニー イースト ウエスト ミニ
“ニューヨーク ミニット”を愛でる横向きのウォッチ
NY本店入り口に掲げられたアトラスクロックが刻む、大都市NYの可能性に満ち溢れた時。それは1940年代のトラベルクロックをベースとした横型時計にも同じように流れており、ときに勇気付け、鼓舞する存在として僕らに寄り添ってくれる。そして無二のタイムピースはペア使いにも最適。男性はギョーシェ彫りが美しい自動巻き、女性はティファニーブルーダイヤルの2重巻きストラップで都会の時を感じては。
ROLEX ロレックス
男性用●オイスター パーペチュアル デイトジャスト 41
女性用●オイスター パーペチュアル レディ デイトジャスト 28
永遠に輝くゴールド使いの“おソロ”で、仲良く末長く
どんなスタイルにも、どんなシーンにも似合うベーシックな中3針モデル。COSC(スイス公式クロノメーター検査協会)による認定&厳格な自社基準をクリアした、自社製ムーブメントも信頼性が高い。美しい色を保つロレックス独自の合金、エバーローズゴールドとのコンビなら、輝きを失わない2人の関係に、いっそうの華を添えるはず。男性はサンダスト、女性はチョコレートと、色違いのダイヤルもセンス良し。
HARRY WINSTON ハリー・ウィンストン
男性用●HW ミッドナイト・オートマティック 42mm
女性用●HW ミッドナイト・オートマティック 29mm
ハレの場を盛り上げる、絢爛なドレスウォッチ
ニューヨーク5番街にある本店のファサードをモチーフにした3時位置のケースデザインをアイコンとする「HW ミッドナイト」コレクション。世界最高峰のジュエラーだけあって、品良く個性を凝縮したホワイトゴールドケースから無類のエレガンスが漂う。黒のアリゲーターストラップとサンレイ装飾のシルバーダイヤルを備えたメンズ。ダイヤモンドがセットされたベゼルとMOPダイヤルを備えたレディス。絢爛なペアウォッチが煌めく時を刻んでくれる。
AUDEMARS PIGUET オーデマ ピゲ
男性用●ロイヤル オーク・フロステッドゴールド・オートマティック
女性用●ロイヤル オーク・フロステッドゴールド・クオーツ
無二の存在感を放つ、名作の“霜降りゴールド”
表面に施された細かな凹凸が光を捉え、まるでダイヤモンドダストのように輝く。「フロステッド」とは、霜に覆われたようなマット仕上げのことで、フィレンツェに伝わる古の伝統技術の賜物だ。職人が特殊な工具を使い、パーツごとに鍛金加工を施して生まれる独特な質感は、ポリッシュ仕上げとの対比でさらに輝きを増す。八角形ベゼルやタペストリー装飾のダイヤルと相まって無二の存在感を放つ。まさにジュエリーウォッチという名に相応しい。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
SS=ステンレススチール、K18=18金、PG=ピンクゴールド、WG=ホワイトゴールド
星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング