37.5歳からの愉悦 Vol.121
2019.11.30
FOOD&DRINK

赤羽のホルモン酒場で、看板娘のまつエクがカーテンのようだった

看板娘という名の愉悦 Vol.93
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。

飲んべえの聖地、赤羽。エレファントカシマシのメンバーが生まれ育った街としても知られる。昨年11月には駅の発車メロディーが同バンドの曲に変わった。

赤羽駅
5・6番線に流れる「俺たちの明日」と「今宵の月のように」。

東口を出ると、早くもクリスマスのライトアップが始まっている。

赤羽
ぐっと冷え込む夜でした。

感動したのは1番街の入り口に漫画家・清野とおるさんと壇蜜さんの結婚を祝う垂れ幕が掛かっていたこと。そう、清野さんも生粋の赤羽人だ。

赤羽
北区役所に婚姻届を提出したそうです。

ゲートをくぐって6分ほど歩くと、目指す居酒屋「元祖ホルモン酒場 赤羽店」に到着した。

外観
世紀の結婚を祝って肉をいただこう。
内観
店内には看板娘の姿が。

お酒のオススメは12種類もあるレモンサワーとのこと。

メニュー
ネーミングもキャッチコピーも秀逸。

看板娘が「甘酸っぱくて超美味しいです」と言う「自家製ハチミツレモンサワー」(700円・税抜、以下同)を注文した。

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看板娘、登場

看板娘
「お待たせしました〜」。

こちらは美咲さん(20歳)。栃木県小山市の実家から都内の美容専門学校に通っている。

さて、フードはと……。

「一番人気は『レバテキ』ですね。朝〆の新鮮な和牛を使っています」。

メニュー
気になるメニューもあるが、こちらは後述。
レバテキ
プリプリのレバテキが存在感を放つ。

テーブルに並んだのは「レバテキ」(780円)、「旨塩たたききゅうり」(380円)、そしてお通しのカレー。脇役のカレーが実にホッとする味である。

「自家製ハチミツレモンサワー」は中ジョッキだが、実は美咲さんとある対決をしていた。

メニュー
「チャレンジメガジョッキ」。

「当店のスタッフはジャンケンが弱いーー」。この言葉に押されて挑戦してみた。勝負手はパー。

じゃんけん
はい、負けた。

「わー、すみません、勝っちゃって。私、グーが好きじゃなくてほとんど出さないんです」。

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そんな美咲さんの郷里・小山市はどんな街なんだろうか。

「うーん、新幹線が止まりますね。あとは思川の近くで上がる花火大会もけっこう有名かも。うちの地元は間々田町というところなんですが、『ジャガマイタ』っていうお祭りがあって、地区ごとに葉っぱで蛇みたいな竜みたいなお神輿を作って練り歩きます」。

あとで調べてみたら、田植えの時期を前に五穀豊穣や疫病退散を祈願する有名な奇祭のようだ。

幼少期
保育園の縁日で楽しそうな美咲さん。

かなり活発な女の子で、登り棒や滑り台のてっぺんから落ちたこともある。さらに、小6からは陸上を始め、現在もジムに通うほどの運動好きガールだ。

高校時代
高校の陸上部時代。

すごくきれいなフォームですが、相当速かったんですか?

「いえ、100mのベストタイムもたしか14秒台でいたって普通でした」。

現在通っている美容専門学校では、まつエクを学んでいる。美容師になるつもりで入学したが、まつエクなるものがあることを知り、俄然興味が湧いたそうだ。来春からは大手まつエクサロンチェーンへの就職が決まっている。

まつエク
サロンで施術してもらったまつエクはカーテンのよう。

「根元に付けるとまつエクの糊でまつ毛がダメになるので、先端を1mmだけ空けてくっつけます。これは5000円でした」。

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美咲さんがここでアルバイトを始めたのは「とにかく肉が好きすぎる」から。もちろん、肉以外も好きで店のまかないも元気の源だ。

まかない
調理スタッフが以前作ってくれたビーフシチューがけオムライス。
スタッフ
こちらが、その大熊さん(23歳)。「まつエクやったんだ」「1カ月前ですよ」。

「彼女の良いところですか? とにかく、よく食べる。まかないも毎回『美味しい美味しい』と言ってくれるので作りがいがありますね」。

豚ホルモンの「コテッチャン」(190円)で締めよう。というか、安すぎないですか?

「美味しいものを安く食べてもらいたいという仕入先のおかげです」。

コテッチャン
コテッチャンは色が変わったら食べごろ。

最後にご紹介したいのが、謎の0円メニュー。

「今日はいないんですが、店長の岡野さんが面白いことが大好きで、お客さんと一緒に楽しく盛り上がろうという思いから色々工夫しているんです」。

メニュー
じゃあ、美咲さん「おもしろい話」(0円)をください。

「この『岡野裕輔』というメニューは男性限定でお持ち帰りできるっていう内容なんです。実際にやる人はいませんけど、こないだは『ギリギリお持ち帰りされそうになった』と言ってました」。

トイレ
トイレのメッセージも店長の仕業。

レモンサワー、ホルモン、そして看板娘の「おもしろい話」を堪能した。この辺りでお会計をしよう。では、読者へのメッセージをお願いします。

メッセージ
自画像にまつエクはなかった。

 

【取材協力】
元祖ホルモン酒場 赤羽店
住所:東京都北区赤羽1-42-2 グリーンキャピタル102
電話番号:03-6903-8897
https://horumonsakaba-akabane.owst.jp

 

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石原たきび=取材・文

# 元祖ホルモン酒場 赤羽店# 看板娘# 赤羽
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