37.5歳からの愉悦 Vol.119
2019.11.14
FOOD&DRINK

銀座の“インディーズスナック”で、看板娘の卒論内容に打ち震えた

看板娘という名の愉悦 Vol.91
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。

銀座のクラブといえば座ってウン万円という世界。しかし、その箱を借りて不定期開催されるスナックがある。店名は「インディーズスナック女子大生」。

街並み
場所は数寄屋橋交差点のほど近く。

「インディーズ」、「スナック」、「女子大生」。いずれも魅力的なパワーワードだ。

外観
エレベーターで飲食店ビルの3階に上がる。

開催されるのは月に1、2回。ママを始め、スタッフのほぼ全員が女子大生だという。

内観
扉を開けると、すでに大盛況。

「シャンパンの差し入れ、いただきました!」の声とともに、居合わせた客にモエ・エ・シャンドンが振舞われる。

お客さん
さすが銀座、景気がいい。

続いて、先日誕生日を迎えた女性スタッフにお祝いのケーキ。

ケーキ
おめでとうございます。
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今回の看板娘はりさママ(22歳)。大学で臨床心理学を学んでおり、来春からは大学院への進学が決まっている。

というわけで、さっそく緑茶ハイをいただこう。

 

看板娘、登場

看板娘
「お待たせしました〜」。

気になる料金システムはハウスボトル飲み放題で4000円。

メニュー
インディーズならではの価格設定。
看板
在籍女性は約15人。

「スナックの雰囲気が好きで、いつかやりたいと思っていた」と言うりさママ。銀座は土日が暇なので安く貸してもらっているそうだ。

ちなみに、卒論のテーマは『女子大生の認知する養育者の養育態度とアイデンティティ発達』。エリクソンのライフサイクル理論を援用しながら、子供のアイデンティティの統合と拡散を調査しているという。よくわからないが、すごい。

彼女自身はすくすくと育ち、「とてもいい親で感謝しています」とのこと。小学生の頃は太宰 治とさくらももこがバイブルだった。

ネイル
このネイルは自作。

「所要時間は2時間ぐらい。コンセプトですか? うーん、『秋は強めに』という感じかな」。

大好物は生牡蠣。下の写真は「すごく美味しい……」と目を潤ませる元住吉の「オリエンタル」という店の生牡蠣だ。

牡蠣
盛り付けも美しい。

「あとは、先日家族旅行で山梨に行ったんですが、ほおずきも最高でした。甘いプチトマトみたいな味」。

ほおずき
下部ホテル内のレストランにて。
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ここで、常連さんから「夜は長いからこれ飲みなよ」と二日酔い防止薬のプレゼント。愛されている。

看板娘
色っぽい所作ですね。

さらに、「ビール飲む?」という申し出。女性スタッフへの一杯は別途500円かかるそうだ。それにしても安いが、ご馳走された分は取っ払いでもらえるので大いに喜ばれる。

看板娘
「いただきます〜」。

この日はりさママの大学院進学決定を祝うスペシャル営業とあって、店内には大勢の女性スタッフがいた。

スタッフ
大阪から来たあんなさん(22歳)もスナックのママ志望。

交通費はなんと自腹。普段はミナミのラウンジでアルバイトをしているが、ここの雰囲気が好きで通っているそうだ。

スタッフ
右・不純さん(24歳)、左・れんれんさん(20歳)。

れんれんさんは秋葉原のメイドカフェで働くかたわら、地下アイドルとしての活動も行っている。

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本
手前の女性が神田古本市で購入した中原中也と吉本隆明。

フロアにはアップライトのピアノも。4歳から14歳までピアノを習っていたというりさママに1曲リクエストした。

ピアノを弾くりさママ
「もう忘れちゃったから弾いているフリだけ」。

本来であれば座ってウン万円の空間。そんな場所で、リーズナブルな料金で気持ちのいいひとときを過ごせる。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

メッセージを書く看板娘
字が曲がらないように名刺を当てて。

素敵な時間と空間でした。ごちそうさまです。

看板娘
「またいらしてくださいね」。
メッセージ
飲みます飲みます。

 

【取材協力】
インディーズスナック女子大生
https://twitter.com/ISU_jD

 

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石原たきび=取材・文

# インディーズスナック女子大生# スナック# 看板娘# 銀座
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