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2018.02.17

たべる

「自分ん家」でほろ酔い気分。日本酒が艶めく缶詰3種

たのしい缶詰ライフ vol.5
オッサンの楽しみ、手軽な晩酌のおともである缶詰。その魅力は、開けるだけで料理が一品増やせる、そんな利便性の高さだけではない。近頃はインテリアにもなりそうなオシャレなデザインの缶詰が登場するなど、男のコレクション心をも、どこかくすぐる存在となっている。そんな缶詰の魅力に浸るこの連載。お気に入りの一杯を携えて、お付き合いいただきたい。
「たのしい缶詰ライフ」を最初から読む
お銚子片手にぱかっと開ければ、即開店。
毎度! お帰えんなさいませ、缶詰居酒屋「自分ん家」へ。
お燗つけますか? 口切りの冷酒もお出しできますよ!
すぐできるつまみでしたら、こちらの缶詰はいかがでしょうか。
居ながらにして酒を飲む。家呑みこそまさしくこれ“居酒家”なり、腰を据えて飲むならやっぱり日本酒。酒の肴にはあぶったイカなんかも手軽ですが、もっと手軽に缶詰を肴にしてみては?
今回は、缶づめブームの先駆けとも言える書籍『缶つま』(世界文化社)などで料理製作・スタイリングを手がけてきたフードスタイリスト・缶づめ料理研究家の黒瀬佐紀子さんに、日本酒のつまみにおすすめな缶詰を3つ選んでいただきました。
「日本酒にも、淡麗、旨口といろいろなものがあります。それぞれにぴったりなつまみの傾向はあるのですが、日本酒全般で言えば、海鮮系、またはしょうゆ味の缶詰であればまず間違いがないでしょうね。もっとも缶詰には、海鮮系、しょうゆ味のものは数多くありますので、今回は一味違う缶詰も選んでみました」。(黒瀬さん)
 

『ほたて貝柱水煮缶』

1296円/スハラ食品
化学調味料の使用無し。オホーツク海で水揚げされた新鮮なホタテから、貝柱だけを取り出し、さらに一度天日で干し旨み成分を高めてから浜茹で。この手間により、「ホタテ貝柱」が持つ天然の旨みを存分に味わえる一品となっている。

【黒瀬’S おすすめポイント】
「いいお値段がしますが、それだけの価値はあります。しっかりとした身はもちろんのこと、とにかく汁がおいしいんです。ドレッシング代わりに野菜にかければ、それで追加の一品もできてしまいますしね。でも、ぜひ試して欲しいのが汁を日本酒の熱燗で割って飲むやり方。ほたての旨み、滋味がふくよかに広がって染み渡ります。呑兵衛さんはきっとたまらないはずです(笑)」。
 

『漢方三元豚大和煮』

1200円/木の屋石巻水産
東北の豊かな自然の中で、ハーブ配合飼料により育てられた漢方三元豚。その柔らかくクセの無い肉を、同社の看板商品「鯨の大和煮」で培った手法によって風味豊かな大和煮に仕上げた一品。

【黒瀬’S おすすめポイント】
「大和煮と言うと鯨や牛が一般的ですので、あまり見かけない豚のものを選んでみました。1〜2分湯煎して温めてからそのままいただくののがおすすめ。また、大和煮はトマトと相性が良いので、切った生トマトとあえて食べてみてください。さらに、そこにキムチを加えても良いつまみになりますよ」。
 

『特選まぐろ綿実油漬』

3缶480円(税抜)/由比缶詰所
厳選された鮮度の良い夏のびん長マグロを、綿実油に漬けた缶詰。その綿実油は、昔ながらの製法で綿の実の一番搾りの油を精製して作られたもので、コクのあるまろやかな風味が特徴。半年間の熟成期間を経て出荷されるので、開けた時が食べどき。

【黒瀬’S おすすめポイント】
「スーパーに並んでいるツナ缶と比べれば、少し高いと感じるかもしれませんがしっかりとした身がつまっていて食べ応えがあります。同社のオリーブ油漬けマグロの缶詰もあり、そちらはハーブを添えて白ワインのつまみとしておすすめ。一方、オリーブ油よりもクセのないこちらは、日本酒のおつまみにおすすめしています。たっぷりめの大根おろしに、しょう油をちょっと垂らして。一緒に食べるとさっぱり、美味しくいただけますよ。ほぐし身のフレークと、ごろっとしたまま入っているファンシーがありますが、つまみならファンシーを選ぶのが良いでしょう」。
もちろん、味の好みはひとそれぞれ。今回紹介した缶詰が、ほかのお酒に絶対合わないこともないし、逆に日本酒に合う缶詰はほかにもたくさんありますよ!
食べたいときまでとっておけて、食べたい時にベストな状態で食べられるのが缶詰の良いところ。そのまま食べてもいいですし、トッピングしてみたり、ほかのものを組み合わせたたりとカスタマイズも楽しいですよね。
そこで黒瀬さんからこんなアドバイス。「どの缶詰も、具はもちろんソースや汁にも旨味が詰まっています。具のアレンジだけでなく、ソースや汁を上手に使えば、より缶詰を楽むことができますよ」。
手軽さ優先、ぱかっと開けてすぐにツマむもよし。一手間かけてからツマむもよし。あなたのすべてのワガママを叶える缶詰居酒屋「自分ん家」。あなたが飲みたいと思ったときから営業しています。

缶詰居酒屋「自分ん家」
住所:あなたの自宅
営業時間:飲みたいとき〜何時でも
チャージ:なし
※写真の料理は黒瀬さん発案のレシピを参考に筆者が独自再現したものです。黒瀬さんの意図したものと必ずしも一致しない場合があることを承知おきください。
【取材協力】
黒瀬佐紀子/フードスタイリスト、缶詰料理研究家。著書に『缶つま』(世界文化社)、『さば缶ダイエット』(主婦と生活社)、『缶詰食堂』(文化出版局)ほか。食に関わるイベントの企画や講師など、幅広く活躍している。
オフィシャルウェブサイト omeletyellow
【問い合わせ】
『ほたて貝柱水煮缶』スハラ食品 www.suharafoods.com
『漢方三元豚大和煮』木の屋石巻水産 www.kinoya.co.jp
『特選まぐろ綿実油漬』由比缶詰所 www.yuican.com
文・料理作成=宇都宮雅之
 


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