特集「37.5歳はカラダのまがりかど」
飲み会の翌日がきつい、暴飲暴食がすぐカラダに出る……。37.5歳を過ぎると、着実に老いを感じはじめるもの。さて、老いの入り口に立ったオッサンたちはカラダとどう向き合えばいい? 今回は、楽しみながらできるエクササイズについて。これなら苦痛も少ない!?
カラダは鍛えたいものの外で走ったりするのは億劫。ましてやこの寒さ。さもなくば、そろそろ花粉症シーズンが始まるし……と何かにつけて、運動習慣を“始めない理由”を用意しがちな大人たちにご提案。
「だったら屋内でVRゲームを楽しみながらカラダを鍛えちゃえばいいじゃない?」というわけでオススメしたいのがVRエクササイズマシン「イカロス」の体験です。確かに屋内なら寒さも花粉も関係ないし、ストイックな筋トレよりゲーム感覚のほうが挫折せずに続けられそう。
そこでお邪魔したのは日本で初めて「イカロス」を導入した六本木の「THE BODY RIDE(ザ ボディ ライド)」。こちら、一度に2名の会員しか受け付けないという、パーソナルトレーニング専門の会員制ジムですが、ビジター限定で「イカロス」が体験できるトライアルメニュー(3000円・15分程度)が用意されているのです。
まずはトレーナー小幡さんの指導のもと、VRゴーグルなしで「イカロス」の基本姿勢を学びます。イカつい筐体におそるおそる脚から乗り込み、ヒザ、ヒジ、手とカラダの部位をのせ、いったん筐体とカラダが水平になるようにキープ。
「この基本姿勢が、『プランク』という体幹トレーニングと同じ効果が得られる状態で、主に腹筋の全面が鍛えられます。ゲーム中は、前後に体重移動したり、カラダを左右にひねったりすることで、プレイヤーの進行方向をコントロールするんですが、特にひねった状態では脇腹の腹斜筋にも効いてくるんです」。
試しに上下左右にとカラダを動かすと、確かに腹回りを中心にプルプルしてきます。このままではゲーム開始前に体力が尽きてしまいそう。早速「イカロス」で遊ばせてください!
「ゲームモードは2種類あって、大空を飛んで指定されたリングをくぐってゆく『フライングモード』と、その海底版の『ディープモード』が選べます。さらにテクニックや体力に応じて『イージー』『ノーマル』『ハード』と3つの難易度が選べます」。
初心者ゆえ「フライングモード」の「イージー」をセレクト。VRゴーグルをかぶって本体に乗り込むと、そこには不穏な天候のもと険しい岩山の上を飛ぶおのれがいました。なるほど臨場感。
もっともゲームルール自体はいたってシンプル。30〜40代には任天堂の『パイロットウイングス』と言えば伝わりましょうか。あのリングを順番にくぐっていくやつです。手元にある加速・減速ボタンを使ってスピーディーにクリアすることも可能。
最初は整然と並んでいたリングも次第に向きを変えるため、先ほど習った上下左右の体重移動で自分の進行方向を変えねばなりません。とりわけしんどいのが下降に必要な前のめりのポーズ。腹筋ローラーで一番つらいあの瞬間がずっと続くうえ、頭に血がのぼり、画面もぐるぐる移動。筋トレに加えて3D酔いも加わります。
それでも昔とった杵柄から初見で“全クリ”した筆者。小幡さんからも「介助する間がなかった」と褒めていただいたことで、調子こいて「ディープモード」の「ハード」にもアタックしてしまいました。
が、さすがにハードのリング配置はえげつなく、特に上下の移動で3D酔いが悪化し、あえなくリタイヤ。通常のテレビゲームだと、プレイするたびに腕前が上がっていくものですが、「イカロス」は体力も使うためモードを変えずとも自然と難易度がアップするという罠があったのです。
ちなみに導入は1年ほど前。どんな経緯で導入したのでしょうか。評判なども伺いました。
「もともとは既存の会員様が楽しくトレーニングするためバリエーションを増やすという狙いで導入しました。稼働状況としては既存の会員様に加え、新規のビジター体験が週平均3組ほど入っています」。
なかにはビジター体験を通してジムに入会する方もいらっしゃるとのことですが、その場合は入会金5万円、下は24万円(2カ月)から上は105万円(年間)のコースが用意されているとか。
決してお安くはありませんが、入会しなくても都度利用でプレイするのはウェルカムと同施設。いずれにせよ「イカロス」はおのれのカラダと向き合うには手頃な一手だと言えましょう。
なお、翌日は見事に腹回りが筋肉痛になりましたとさ。
写真:灘波由香
取材・文:熊山准
【取材協力】THE BODY RIDE
住所:東京都港区六本木7-3-12 六本木インターナショナルビル2F
営業時間:7:00〜22:00(完全予約制)
電話番号:03-6455-5554
https://thebodyride.com/